1992 Fiscal Year Annual Research Report
慢性肉芽腫症の基礎的研究b型シトクローム大鎖欠損の遺伝生化学的解析
Project/Area Number |
04260204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金ヶ崎 士朗 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斧 康雄 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (10177272)
大海 忍 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (20160046)
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Keywords | 食細胞 / スーパーオキシドアニオン / 慢性肉芽腫症 / 47kDa蛋白質 / 65kDa蛋白質 / RFLP解析 / Bリンパ球 / シトクロム |
Research Abstract |
食細胞は刺激によりスーパーオキシドアニオン(O_<2->)を産生するが、殺菌に直接関与する他の活性酸素種は、この分子に由来し、ファゴゾーム中で二次的に形成される。慢性肉芽腫症(CGD)は食細胞が殺菌に必要な活性酸素を産生することができず、重篤な感染を繰り返す先天性の疾患である。先天性免疫不全症の中では最も発症頻度が高く、本邦では約100人の登録がある。O_<2->産生系は形質膜に存在し、刺激により活性化される一種の電子伝達系で、電子は細胞質のNADPHから形質膜の外側の酸素分子渡される。この系には大小鎖からなる形質膜のシトクロムと可溶性画分にあり刺激により膜に移動することが今回明かとなった47kDa蛋白質や65kDa蛋白質が関与している。CGDはこれらの蛋白質に関する遺伝子の欠損である。 本年度はまず収集した正常ヒトDNAについてRFLP解析の可能性を調査し、シトクロム大鎖cDNAの5^1側の断片をプローブにするとBglIIの分解でRFLPが存在することをみいだした。これを基にCGD家系での調査を今後進めていくつもりである。次にシトクロムと2種の可溶性蛋白質が、末梢のBリンパ球に存在することを確認するとともに、その定量を行ったところ、これらの細胞では好中球の1%強のシトクロムと数%の可溶性蛋白質の存在が認められた。また多くのCGD家系について、EBVでトランスフォームしたBリンパ球を各種作成し、これらの蛋白質を調べたところ、対応する蛋白質の欠損が確認できた。しかし、シトクロム大鎖のcDNAをレトロウイルスベクターの発現に結合したDNAを作成したこれらのBリンパ球への導入実験を行ったが現在のところ成功していない。
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[Publications] Ariga,T.,M.Nakanishi,K.Tomizawa,S.Imajoh-Ohmi,S.Kanegasaki,Y.Sakiyam and S.Matsumoto:"Genetic heterogeneity in patients with X-linked recessive chronic granulomatous disease." Pediatric Res.31. 516-519 (1992)
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[Publications] Furukawa,K.,R.Tnglcr.M.Nakamura,A.Urwyler,A.L.deweck,S.Kanegasaki and F.E.Maly:"B lymphoblasts show oxidase activity in response to cross-linking of surface IgM and HLA-DR." Scandinavian J.Immunol.35. 561-567 (1992)
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[Publications] Nakanishi,A.,S.Imajoh-Ohmi,T.Fujinawa,H.Kikuchi and S.Kanegasaki:"Direct evidence for interaction between the COOH-terminal regions of cytochrome b558 subunits and cytosolic 47-kDa protein during the activation of superoxide-generating system in neutrophils." J.Biol.Chem.267. 19072-19074 (1992)
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[Publications] Kanegasaki,S.,S.Kobayashi,F.Kuribayashi,M.Nakamura and S.Imajoh-Ohmi:"Superoxide-generating sytem in humna B lumphocytes and in some leukemia-lymphoma cell lines." Oxygen radicals. 51-54 (1992)