1992 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報ネットワークにおけるグループウェアの研究
Project/Area Number |
04261205
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鰺坂 恒夫 京都大学, 工学部, 助教授 (30175864)
|
Keywords | グループウェア / コミュニケーション・モデル / 協調分散処理 / 開放型システム相互接続 / プロトコルデータ単位 / 電子メイルシステム |
Research Abstract |
膨大なゲノム情報の解析を効果的に推進するため、複数の研究者や研究チーケによる活動を有機的に相互接続するグループウェアの設計開発に向けて,その基礎となるコミュニケーションモデルを確立するのが本研究の目的である。今後年は、グループウェアにおけるコミュニケーションの参照モデルを与えるため、開放型システム相互接続(OSI)のモデルの適用を試みた。 OSIの階層構造の本質はプロトコルデータ単位に現れている。上位から下位へ,下位層のサービスを用いて情報が構成される際,下位のエンティティやプロトコルを識別するための情報は,下位層でデータベース化されたものが用いられ,上位に対しては隠蔽される。このしくみをグループウェにも適用して情報を整理すると,まず最上位層として「メッセージ型が識別される階層」が同定される。これは,コミュニケーションの空間的構成単位である個々のエージェントによるメッセージの発信,受信が,主要な時間的構成単位(イベント)となることによる,他の階層はすべて個々のメッセージに対するコンテクストを与えるものである。これをその一般的な存続時間間隔から分類して,「役割が識別される階層」「アクティビティが識別される階層」が設定できる。最上位層をさらに意味的に分離すると,話題の推移を制御する「場の設定層」(下位層)とそれ意外の一般的な議論が行われる上位層となる。 このように分離した各階層に対応して,サービス(機能)と規則を定義し,実現には,すでに広く支持を得ている半構造化メッセージを電子メイルシステムに乗せる方法をとればよい。既存のメッセージ処理ユーザエージェントがこの支援ツールに置き代わる。ただし,上位層のサービスは,議論の対象となっているもの(ここではゲノム情報),しかもその意味的構成要素を的確に参照,ときには変更できる必要がある。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 鰺坂 恒夫: "ソフトウェア意味要素の再利用" 情報城理学会ソフトウェア再利用技術シンポジウム論文集. 73-82 (1992)
-
[Publications] 鰺坂 恒夫,松本 吉弘: "ソフトウェアエンジニアリング・データベースKyotoDBの設計と実現" 情報処理学会論文誌. 33巻・11号. 1402-1413 (1992)