1992 Fiscal Year Annual Research Report
内皮細胞由来血管収縮弛緩物質の産生分泌とそれによる平滑筋の応答、血管攣縮の機構
Project/Area Number |
04263103
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
眞崎 知生 京都大学, 医学部, 教授 (60009991)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 光 名古屋市立大学, 教授 (80037548)
戸田 昇 滋賀医科大学, 教授 (50025590)
藤原 元始 武庫川女子大学, 教授 (90025536)
多田 道彦 大阪大学, 医学部, 教授 (90093434)
柳澤 輝行 東北大学, 医学部, 助教授 (90133941)
|
Keywords | エンドセリン / EDRF / 過分極因子 / カルシウムイオン |
Research Abstract |
本研究班は内皮細胞の産生する収縮弛緩因子の産生分泌機序、およびそれらの平滑筋における作用機序の研究が中心である。対象とする物質としてはエンドセリンとEDRFが中心である。その他収縮因子としてアラキドン酸代謝物、弛緩因子として平滑筋膜脱分極因子が研究対象となっている。さらに種々の状態における内皮依存性の収縮弛緩のメカニズムを調べ、どのようなメカニズムがあるかを検討することを目標としている。酸化窒素の内皮における産生と平滑筋に対する作用については、本年度はその産生に対するカルシウムイオンの関与に関する研究、動脈進展に伴う内皮依存性弛緩反応変化という間接的な研究が行われた。この領域は諸外国に比べてまだかなり弱い。しかしわが国におけるこの面の研究を促進しなければならない。さらに過分極因子についても研究された。またこの他の因子としてはカルシトニン遺伝子関連ペプチドの平滑筋に対する作用も検討された。エンドセリン研究は3人の分担者によって行われた。エンドセリンautocrine作用を示す細胞としていくつかの細胞でこのことが調べられた。またウシ内皮細胞では顆粒球コロニー刺激因子がエンドセリン産生促進因子であることが示された。ずり応力の低いところではその増加によってET-1の産生が増加するが、この産生をcytochalasinが誘導すること、colchicineが抑制することがわかり、細胞骨格の動態と深く関連していることがわかった。これらの現象と動脈硬化巣出現などとの関連、また血管再構築因子としてのエンドセリンの役割が今後注目される。内皮細胞による筋細胞増殖制御の機構が心筋細胞に対する作用をモデルとして検討された。この班における今年度の大きな研究成果のひとつは、エンドセリン受容体ETA,ETBの構造活性相関に関する研究である。ETAとETBの違いはアゴニストを選択する部位が異なっていることが証明された。
|
-
[Publications] Yamagishi,T.: "K^+ channel openers,cromakalim and Ki4032,inhibit agonist-induced Ca^<2+> release in canine coronary artery" Naunyn-Schmiedeberg's Ach Pharmacol.346. 691-700 (1992)
-
[Publications] Yamamoto,Y.: "Permeability and Mg-blockade of histamineoperated cation channel in endothelial cells of rat intrapulmonary artery" J.Physiol.(Lond). 450. 395-408 (1992)
-
[Publications] Toda,N.: "Different susceptibility of vasodilater nerve endothelium and smooth muscle functions to Ca^<++> antagonists in cerebral arteries" J.Pharmacol.Exp.Ther.261. 234-239 (1992)
-
[Publications] Namiki,A.: "Granulocyte-colony stimulating factor stimulates endothelin-1 release from bovine endothelial cells" Eur.J.Pharmacol.227. 339-341 (1992)
-
[Publications] Kitagawa,S.: "Impairment of endothelium-dependent relaxation in aorta from rat with arteriosclerosis induced by excess vitamine D and a high cholesterol diet" Jap.J.Pharmacol.59. 339-347 (1992)
-
[Publications] Kasuya,Y.: "A Pertussis toxin-sensitive mechanism of endothelin action in porcine coronary artery smooth muscle" Br.J.Pharmacol.107. 456-462 (1992)
-
[Publications] G.M.Rubanyi: "Endothelin" Oxford University Press, 277 (1992)