1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04263226
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三輪 岳志 大阪大学, 遺伝情報実験施設, 助教授 (20174229)
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Keywords | アクチン遺伝子 / 平滑筋 / 遺伝子発現 / 転写因子 |
Research Abstract |
血管平滑筋アクチンの発現調領域の解析からプロモーター部位と第一イントロン内部に発現調筋領域を見いだし、この領域に核内因子の結合するDNAエレメントとして3種類の同定した。第1のCArGbox配列(10塩基のCC(A-Trich)_6GG)はアクチン遺伝子群に共通に繰り返し見いだされており、第1イントロンのCArGbox配列が核内因子への強い結合能と転写促進機能を示した。第2はTAATをモチーフにするA/T領域で、非筋肉細胞での発現に関与しているらしい。第3はEbox配列(6塩基のCANNTG)を認識するMyoD1ファミリー遺伝子関連の転写調節系である。この研究ではCArGbox配列に結合する因子のクローニングを行なった。マウスC2筋肉細胞ではin vitroの分化誘導で両平滑筋アクチン遺伝子の発現が一過的に上昇するが、この細胞からcDANライデラリーを作成し、フィルター上の大腸菌で発現させ、血管平滑筋アクチン遺伝子の第一イントロンのCArGbox配列に結合するcDNA得た。このクローンは全長1.6Kbで285アミノ酸(30.8KDa)をコードし、ヒト、マウス、ニワトリで一コピー遺伝子として保存されており、生物的に重要な働きをすると考えられた。大腸菌で作成したこの蛋白質は各種CArGbox配列に特異的であるが弱くしか結合せず、むしろ一本鎖DNAに非特異的に強く結合した。C2細胞で強制発現させると、CArGbox配列の正の転写調節を阻害するように働き。転写のレプレッサーとしての活性を持つことが明らかになった。また、この遺伝子はマウスの各種臓器で発現しているが、骨格筋での発現量が少なくCArGbox配列の組織特異的発現を抑える負の調節を行なう転写調節因である可能性が高い。
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Research Products
(1 results)