1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04264102
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤井 宏一 筑波大学, 生物科学系, 教授 (00114124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 正和 東京大学, 教養学部, 助手 (40178950)
高林 純示 京都大学, 農学部, 助手 (10197197)
遠藤 彰 立命館大学, 理工学部, 助教授 (90148388)
桑原 保正 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (10026536)
河野 昭一 京都大学, 理学部, 教授 (30019244)
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Keywords | 間接作用 / 間接効果 / 多種共存 / カイロモン / 数理モデル / 種子食昆虫 |
Research Abstract |
本計画研究は種間間接効果に注目し、群集における多種共存の機構を操作実験により解明することを目指す。本年度は以下の研究を行なった。 1)植物-動物の相互関係、寄主-寄生関係の実体解明。(1)アリ散布型植物5種について、種子散布に果たすアリ及び歩行性昆虫の役割を解析した。(2)ヤマトアザミテントウ(食葉性昆虫)の生涯適応度を測定し、種間相互作用と適応度との関係を解析した。(3)キスジベッコウとオニグモ3種を用いて、共通の敵をもつ餌生物の間の間接的相互作用について解析した。(4)各地のホタルブクロを採集し、送粉昆虫(ハナバチ類)の花のサイズに対する選好性を調査した。(5)アカバナ科2種、ユリ科3種について、花の形成する昆虫誘引成分の化学的検索を行なった。 2)植物-植食動物-肉食動物系での実験個群による動揮態の解明。(1)実験的に設定した豆-マメゾウムシ-寄生蜂系での共存要因を調べた。(2)水系マイクロコズムを作成し、昨年度に引き続き多種の共存を可能にする生物間相互作用を解析した。 3)種間関係における化学物質の情報伝達質としての働き。(1)ヤケヒョウヒダニ、ケナガコナダニの微量成分を単離同定し、これらの抗菌活性を解析した。(2)キュウリ-ナミハダニ-チリカブリダニ系において、加害によるキュウリからのチリカブリダニ誘引物質の生産について解析した。 4)上記1)2)3)の研究成果の有機的結合の促進 既存の野外研究データを整理し、単純生態系の数理モデルを作成し、エネルギー流入、人為的操作と系の安定性について解析した。これらの研究の成果のいくつかはすでに論文として発表された。(次ページ参照)
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Yasukawa,S.et al.: "Reprojuctive and pollination biology of Magnolia and its allied grnera(Magnoliaceae).I.Floral volatiles of several Magnolia and Michelia species and their roles" Plant Species Biol.7. 121-140 (1992)
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[Publications] Kuwahara,Y.et al.: "Chemical ecology of astigmatid mites XXXII." Appl.Entom.Zool.27. 253-260 (1992)
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[Publications] Oguma,Y.et al.: "(2)-11-Pentacosene is the major sex pheromone component in Drosophila virilis." Chemoecology. 3. 60-64 (1992)
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[Publications] Leal,W.S.et al.: "An amino acid derivative as the sex pheromone of scarab beetle." Naturwissenschaften. 79. 184-185 (1992)
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[Publications] Nakajima,H.: "Sensitivity and stability of flow networks" Ecological Modelling. 62. 123-133 (1992)
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[Publications] Harada,Y.et al.: "On the stability of the stock-harvesting system controlled by feedback management procedure." Res.Popul.Ecol.34. 185-201 (1992)
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[Publications] 大串 隆之: "地球共生系とはなにか" 平凡社, 262 (1992)
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[Publications] 伊藤 嘉昭,山村 則男,嶋田 正和: "動物生態学" 蒼樹書房, 507 (1992)