地球共生系:生物の多種共存を促進する相互作用機構

1993 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 04264104
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 川那部 浩哉 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (60025286)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 井上 民二 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (90109041) ; 安部 琢哉 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (00045030) ; 西平 守孝 東北大学, 理学部, 教授 (80004357) ; 藤井 宏一 筑波大学, 生物科学系, 教授 (00114124) ; 石川 統 東京大学, 理学部, 教授 (70012482)
• Keywords: 共生 / 共存機構 / 群集生態学 / 進化生態学

Research Abstract

本研究は、重点領域「地球共生系:生物の多種共存を促進する相互作用機構」の総括を担当し、研究全体のコーディネーションと評価点検、およびA01からA03班まで3つの班の研究結果の整理・総合に基づく総括研究を進めることを目的とする。
本重点領域研究では、地球上の多様な共生系(生物群集)の中から異なるタイプの代表系を選び、それらの間の系統的比較・総合化を図ることが不可欠である。そこで、本年度はこれまでの成果に基づき最重点対象系を選び、これらの各系に関して協同研究チームを組み“core project"として進めた。さらに、これらの系に関する系統的比較・総合化を行い研究プロジェクト全体としての成果につなげる目的で、総括班の下に「総括研究グループ」を形成した。
本年度の具体的実績は以下のとおりである。
1)プロジェクト全体の情報交換のため、引き続きニューズレターを月1度の頻度で発行した。
2)6月9、10日に全体研究報告会を開き、評価委員会を中心にプロジェクト全体の評価点検を行った。
3)6月、9月、12月の3回「総括研究グループ」の研究会をもち、A01からA03班までの3つの班の研究結果を整理・総合し理論的検討を行った。その結果を各々の班にフィードバックし、研究プロジェクト全体としての成果を生み出すことを図った。
4)「総括研究グループ」」の各研究会に向けてその前に、“core project"研究チームのメンバーが集中検討会をもった。
5)本重点領域研究の成果・進展について、広く一般に報告し、また外部の研究者を交えて検討するために開く公開シンポジウムとして、本年度は12月に京都大学生態学研究センターと共催で、国際シンポジウム「生物多様性の生態学展望」を開いた。
6)研究成果を広く普及する目的で2年度目から刊行してきた本のシリーズを第6巻まですべて刊行完了し、第2期シリーズの準備に入った。

Research Products

• [Publications] 川那部浩哉: "生命ネットワークの発展と崩壊.生命多様性:関係の総体論から見た群集とその進化" 物性研究. 60(1). 25-26 (1993)
• [Publications] Higashi,M.;Yamamura,N.: "What determines animal group size:insider-outsider conflict and its resolution.What determines animal group size:insider-outsider conflict and its resolution." The American Naturalist. 142. 553-563 (1993)
• [Publications] Abe,T.;Higshi,M.: "Cellulose dynamics and termite ecology as key factors to structuring terrestrial communities." Procceedings of a Joint U.S.A.-Japan Seminar in the Environmental Sciences.147-163 (1993)
• [Publications] 井上民二: "熱帯における環境変動と生物のダイナミックス" 科学. 63. 635-645 (1993)
• [Publications] 東正彦: "生物多様性をどうとらえるか." 科学(1993年12月号). 63. 757-765 (1993)
• [Publications] Abe,T.;Inoue,T.: "Fauna and nesting habits of termites in the peat swamp forest and rubber platntation at Narathiwat,southern Thailand-preliminary report." Island Studies in Okinawa. 11. 43-54 (1993)
• [Publications] 井上民二;山根爽一: "昆虫社会の進化" 博品社, 532 (1993)
• [Publications] Kawanabe,H;Ohgushi;Higashi,M.: "Symbiosphere:Ecological complexity for promoting biodiversity." Biology International,Special Isuue No.29, 86 (1993)