1992 Fiscal Year Annual Research Report
Na^+,K^+-ATPaseポンプにおけるエネルギー共役と調節の分子機構
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04266202
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
谷口 和弥 北海道大学, 理学部, 教授 (40028204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 明 北海道大学, 理学部, 講師 (60001848)
嘉屋 俊二 北海道大学, 理学部, 助手 (90186023)
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Keywords | ATP加水分解酵素 / リン酸化 / 脱リン酸化 |
Research Abstract |
I.Na^+,K^+-ATPaseをピリドキサールでリン酸化の誘導体で修飾した。PLPはNa^+,K^+-ATPase α鎖、Lys-480に導入されていることがPLP結合ペプチドの分析から明らかにされた。PLP結合酵素は、ATPase活性とATPからのリン酸化酵素(EP)形成能を失っていたがアセチルリン酸(AcP)からのEP形成能を保持していた。Mg^<2+>とNa^+の存在下でAcPを添加するとPLPプローブの微小環境変化を反映する動的な蛍光変化が検出された。AcPから最初に生じるNa^+結合リン酸化酵素(E_1P)形成に伴い蛍光強度は減少し、Na^+を遊離したリン酸化酵素(E_2P)形成に伴い蛍光強度は逆に増加した。一方更に興味あることはATP添加ではEP形成が生じないにもかかわらずPLP蛍光強度に変化が生じた。以上に結果は従来PLPの結合した酵素はATPを結合しないとする仮説とは異なり、ATP結合により構造変化が生じるにもかかわらずEPを形成することが出来ないことを示している。しかしATPより小分子のAcPで2種のEPが形成されることから、PLP修飾はATPのγ位のリン酸転移を阻止していることが明白となった。Lys-480に結合したPLPブローブとAcPは今後PLP修飾酵素の反応機構研究に重要な役割を果たすことが期待される。 II.ブタ腎赤外髄質のミクロソーム分画からNa^+,K^+-ATPaseと、その上澄みからCyclic AMP依存性キナーゼを精製しNa^+,K^+-ATPaseのリン酸化を試みた。Na^+,K^+-ATPase α鎖当り1モルのリン酸化が生じたがNa^+,K^+-ATPase活性に大きな活性の変動は観察されなかった。リン酸化部位及びNa^+,K^+-ATPase部分反応に及ぼす効果を検討中である
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[Publications] K.Taniguchi: "Conformation Change Accompanying Formation of Oligomycin-Induced Na Bound Forms and Their Conversion to ADP-Sensitive Phosphoenzyme in Na,K-ATPase" Journal of Biochemistry. 109. 299-306 (1991)
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[Publications] K.Taniguchi: "Reversible Changes in the Fluorescence Energy Transfer Accompanying Formation of Reaction Intermediates in Probe-Labeled Na^+,K^+-ATPase" Journal of Biological Chemistry. (1993)
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[Publications] 谷口 和弥: "新生化学栄験講座" 日本生化学会, 10 (1992)