1992 Fiscal Year Annual Research Report
6R-テトラヒドロビロビオプテリンによる神経伝達物質放出の調節機構
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04267210
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三輪 聡一 京都大学, 医学部, 助教授 (40157706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越村 邦夫 京都大学, 医学部, 助手 (90192575)
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Keywords | ドーパミン遊離 / セピアプテリン / 微小脳 / 透析法 / 結合実験 / スライスパッチ法 / イオンチャンネル / テトラヒドロビオプテリン |
Research Abstract |
6R-L-エリスロ-5,6,7,8-テトラヒドロビオプテリン(以下6R-BH_4と省略)は,カテコールアミン合成の律速酵素-チロシン水酸化酵素-の補酵素である。我々は,これまでに,脳透析法を用いて,この6R-BH_4がドーパミン,セロトニンやノルアドレナリンなどのモノアミノ神経伝達物質を生合成に依存することなく直接遊離させる作用を有することを明らかにしてきた。本年度は,まず,6R-BH_4が細胞の外側または内側のいずれから作用しているのかを明らかにする目的で,6R-BH_4の前駆物質でアルセピアプテリンのドーパミン遊離に対する影響を曙透析法を用いて検討した。セピアプテリンを投与すると,細角胞内の6R-BH_4濃度が選択的に増加し細胞外の弟度はほとんど変化しなかったが,この条件ではドーパミン遊離の増加がみられなかった。この結果から,6R-BH_4は細胞の外側から作用していることを明らかにした。また,[^3H]6R-BH_4は作製して,脳の膜分画に対する結合実験を行ない,脳の膜分画に[^3H]6R-BH^4に対する高親和性の結合部位が存在することを明らかにした。この結合部位の[^3H]6R-BH_4に対する解離定数(kd)は21nMであり,また,最大結合数(Bmax)は550fmol/mg proteinであった。この[^3H]6R-BH_4の特異的結合は,6R-BH_4により高親和性に置換されたが、立体異性体である6S-BH_4および合成プテリジン類では置換には高濃度を要した。さらに,脳のスライスパッチ法を用いて,その電気生理学的活性を検討した。6R-BH_4は,神経細胞の発火頻度を著明に増加させるとともに,内向き電流を引き起こすことが明からとなった。以上の結果から,6R-BH_4に対する特異的受容体が存在すること。および,この受容体が活性化されると内向き電流が生じることを明からにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kunio Koshimura: "A dopamini-releasing action of 6R-L-erythro-tetrahydrobiopterin" Frontiers and new horezons in amino acid research. K. takae, ed.(Elsevier Science publishers B.V.). 537-540 (1992)
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[Publications] Yasuyoshi Watanabe: "Basic study on 6R-tetrahydrobipoterin treatment for infantele autism and neuro-psychiatic disorders" Neurpbiology of Infantile Autism.H. Naruse and E.M. Ornitz,editors.(Elsevier Science Publishers B.V.). 317-331 (1992)
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[Publications] Kunio Koshimura: "L-DOPA administration enhances exocytotic dopamine release in vivo in the rat striatum" Life Sciences. 51. 747-755 (1992)
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[Publications] Tetsuya Ohue: "Enhancement of acetylcholine release in the hippocampus by 6R-L-erythro-5,6,7,8-tetrahydro-biopterin is mediated by 5-hydroxyrtyptamine" Brain Research. (1993)