1992 Fiscal Year Annual Research Report
新しいヘパリン親和性成長因子、プレイオトロフィンの神経栄養効果の解析
Project/Area Number |
04268207
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和中 明生 大阪大学, 医学部, 講師 (90210989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 昌一 大阪大学, 医学部, 助手 (20216063)
山野 眞利子 大阪大学, 医学部, 助手 (80192409)
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Keywords | プレイオトロフィン / 成長因子 / 神経栄養因子 / 抗体 / 免疫組織化学 / 融合蛋白 |
Research Abstract |
我々は生後1過性に発熱が増強する神経突起伸長作用を有する新しい成長因子、プレイオトロフィン(PTN)に対する特異的抗体の作成をまず行なった。方法としてはPTNcDNAを大腸菌融合蛋白ベクターに組みこみ発現させそれを家兎に免疫して抗体作成を行なった。またこれと併行して、PTNのN未14個のペプチドを合成これに対する抗体を作成した。ウエスタンブロットの結果、両者共に約18kaの位置にバンドが確認されたので、ひき続いて、合成ペプチドをカラムに不動化し抗体の精製を行った。結果として生後1週ラット脳の粗抽検出し得た。次にこの抗体が組織におけるPTN蛋白局在を検出しうるか否かを免疫組織化学的手法を用いて検討した所、胎生期ラット脳より染色性が認められ、かつ生後1〜2週のラット脳で広範に強い免疫陽性反応が観察された。この反応は成熟ラット脳では低下しており、我々が以前におこなったPTNmRNAの経時変化および組織分布とよく一致した。また微細構造レベルではPTN蛋白は主に細胞膜に付随した形で認められ、本因子が細胞外基質分子として神経突起伸長などを促す可能性が考えられた。また併行しておこなった胚性癌細胞の神経分化モデルにおけるPTNの発現解析でも、本因子のmRNA、蛋白発現は神経突起伸長の程度とよく相関し、また局在が神経細胞様細胞に認められたととから本因子がオートクラインあるいはパラクライン性に神経突起伸長に働くことが示唆された。この系においてアンチセンス法によりPTN発現を抑制したところ、コントロールに比して有意に神経突起伸長が抑制され、この結果は上記の仮説を強く支持するものと考える。
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[Publications] A.Wanaka,S.L.Carroll J.Milbrandt: "Developmental regulatde expression of pleiotrophin,a novel heparin binding growth factor,in the nervous system of the rat." Developmental Brain Research. (1993)
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[Publications] A.Wanaka,K.Matsumoto and M.Tohyama: "Functional implication of pleiotrophin in the vitro neuronal differentration of embronal cartinoma cell line p 19." Neuroscience Research. 17. S197 (1992)
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[Publications] K.Matsumoto,A.Wanaka H.Kato,K.takatsuji T.Muramatsu,M.Tohyama: "Immunocytochemical localization of pleiotrophin and MK,Heparin-binding growth factors,in the developing nervous system." Neuroscience Research. 17. S198 (1992)
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[Publications] 加藤 英政,和中 明生,松本 和政,遠山 正彌: "胎性癌細胞株19のin Vitro神経分化モデルにおけるpleiotroplunの発現とその意義" 神経化学. 31. 250-251 (1992)
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[Publications] 松本 和政,和中 明生,加藤 英政,高辻 功一,村松 喬,遠山 正彌: "ヘパリン結合性神経突起伸長因子(Pleiotrophin,MK)の神経系発生過程における蛋白発現" 神経化学. 31. 252-253 (1992)