1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04270202
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡田 益吉 筑波大学, 生物科学系, 教授 (60015534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 悟 筑波大学, 生物科学系, 助手 (90225508)
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Keywords | エンハンサートラップ / 生殖細胞 / 極細胞 / ショウジョウバエ / ミトコンドリアRNA / 極顆粒 / in situハイブリダイゼーション / Bicaudal-D |
Research Abstract |
1)ショウジョウバエの生殖系列の発現する遺伝子の探索 極細胞及びそれに由来する細胞で発現する遺伝子を、エンハンサー・トラップ法により探索し、現在までに34ラインをスクリーンすることが出来た。内1ラインは生殖巣内で生殖系列のみを染める。 これらのエンハンサー・トラップ・ラインの内雄の生殖幹細胞で特異的に発現する系統の一つについてはプラスミッド・レスキュー法で約20kbのDNA断片をクローニングし現在解析中である。 2)極細胞形成因子であるミトコンドリアlrRNAの胚内分布 ミトコンドリア・ゲノムにコードされているlrRNAは、紫外線により失われた胚の極細胞形成能を回復せしめうることはすでに報告した。このミトコンドリアlrRNA(mtlrRNA)が、正常発生過程における極細胞形成においても機能していることを確認するために、in situハイブリダイゼイションを行った。 結果を要約すると:(1)産卵直後から卵割期にはmtlrRNAは卵後極の細胞質すなわち極細胞質に局在する、(2)核が後極に到達し極細胞形成が始まると、mtlrRNAは極細胞直下に極在し、極細胞中には入らない、(3)後極を紫外線照射した卵では、このmtlrRNAの局在が極めて微弱であるか、あるいは全く認められない。 さらに、電子顕微鏡レベルのin situハイブリダイゼイション技術を設立し、これを上記の胚に適用した結果、卵割期まではmtlrRNAは極顆粒上にのみ認められ、極細胞形成中に極顆粒から離れて細胞質中に遊離することが明らかになった。 さらにBicaudal-D突然変異胚では、2次腹部が形成されるはずの前端部には局在していなかった。これは、mtlrRNAの極在が腹部形成でなく極細胞形成に必要であることを示唆する。
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[Publications] T.Akiyama: "Spatial and developmental changes in the respiratory activity of mitochondria in early Drosophila embryos" Development. 115. 1175-1182 (1992)
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[Publications] S.Kobayashi: "Double staining technique X-gal and autibody in Drosophila shole embryos" Biotechnology and Histochemistry. (1992)
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[Publications] T.Kitamura: "Developmentally regulated splicing of the third intron of Pelement in somatic tiesnes in Drosophila embryos" Development,Grawth t Differentiation. 31. (1993)
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[Publications] S.Kobayashi: "Two types of pole cells are present in the Drosophila embryo,one with and one without splicing activity for third P-element intron" Development. 117. (1993)
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[Publications] 岡田 益吉: "背腹軸決定におけるdppの役割" 実験医学. 10. 212-218 (1992)
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[Publications] 岡田 益吉: "生殖細胞は生細胞とどのように違うか" 卵から親へー生命体の発生 「大学と科学」公開シンポジウム講演集. 18-30 (1992)