1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04270216
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
西賀 秀俊 東京都立大学, 理学部, 助教授 (60131918)
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Keywords | ホヤ / ホメオボックス / 遺伝子発現 / モザイク卵 / 変態 |
Research Abstract |
(1)胚発生の初期に発現する様なホヤのホメオボックス遺伝子を単離するため受精卵cDNAをOligonucleotideを用いスクリーニングしたところ、LIM型ホメオボックス遺伝子AHox2を単離することができた。AHox2は513アミノ酸残基、典型的な2つのLIMドメインとN末側にアスパラギン酸に富む領域を持ち蛋白をコードする。その発現レベルは受精卵、未受精卵で高く、発生の進行と共に低下する。AHox2に支配される遺伝子群の探索を試みるため、AHox2のホメオドメイン(C末の1残基を除く)と上流103残基を含むcDNA部分をT7の系で発現させ、部分精製した。このホメオドメイン蛋白質はNP配列に対して配例特異的なDNA結合活性を示した。 (2)ホヤでは発生初期には脊索が形成され、幼生期までそれが保持される。しかし、やがて起こる変態とともに脊索は消失し、神経系や消化器系の再構築が行われ、体軸や90度回転する。このような発生経過をたどるホヤで、どのような種類のホメオボックス遺伝子が存在するのか、また特異な発生経過が、とくに体軸に沿った領域の決定に関わっていると考えられるHox型ホメオボックス遺伝子群の構造や発現に反映されているのかどうか、興味が持たれる。マボヤゲノムに対しPCRを行なったところ、少なくとも6種のHox型ホメオボックス遺伝子断片が検出された。その中には脊椎動物のものでは見られないイントロンで分断されたホメオボックスを持つものが複合含まれている。またそれらの発生過程での発現を調べてみると、変態後一過的に検出されるものはあるが、現在のところ、初期発生では検出されていない。
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