1992 Fiscal Year Annual Research Report
葉緑体局在型グルタミン合成酵素による光呼吸環境適応の分子機構
Project/Area Number |
04273215
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
竹葉 剛 京都府立大学, 生活科学部, 助教授 (90027194)
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Keywords | グルタミン合成酵素 / メチオニンスルオ・キュミン / タバコ / 光呼吸 / トランスジエニラクタバコ / アンモニア / CDNA / 光傷害 |
Research Abstract |
1.methionine sulfoximine(MSO、1mM)をタバコの葉切片に与えて、光を照射すると、強光下では2日ほどで、葉は白変し、細胞は死滅した。与えても暗黒においたものや、水対照区のものは、もとのまま緑色のままであった。MSOを弱光下でも、低温では、約一週間でMSO処理区のタバコ葉切片は白変化した。これは、MSO処理によりGS2活性が阻害され、光呼吸経路が回転しなくなり、その結果、photoinhibitionの状態が続き、活性酸素の消去系のみでは、活性酸習を消去しきれくなった、ためと解釈できる。 2.MSOの存在しない場合でも、強光下では除々にアンモニアが蓄積し、3日ほどで、タバコ葉切片は白変化した。これは、その葉片中のGS2活性が、光強度に対して十分に高くなく制限となっており、したがって、光呼吸経路が十分には回転できず、上記1と同じ現象が進行した、と解釈できる。 3.上記タバコ葉切片の白変化に先立ち、強光下では、アンモニアの蓄積、photoinhibition、タンパク質量の減少、が観察された。 4.イネGS2cDNAを35Sプロモーターにつなぎ、Tiベクターを用いて、タバコに遺伝子導入した。得られた10数個の形質転換タバコのクローンについて、レタスGS抗体を用いてWesternを行うと、GS2の発現量は、対照区の約2倍に増加したもの、ほとんど変化のないもの、むしろ減少しているもの、が得られた。GS2の発現量が対照区の2倍に増加したタバコについて、強光下での光障害の受けやすさ、を比較すると、明らかに対照区よりも光障害の出るのが遅れることが観察された。したがって、GS2の発現量を増加させると、光呼吸能が高まり、その結果光障害を受けにくくなることは、少なくとも、ある範囲内において成立する現象であることが確認できた。
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