1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04301022
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
川本 勝 駒沢大学, 文学部, 教授 (20110942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 謙一 東京大学, 文学部, 助教授 (30151286)
竹下 俊郎 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (20163397)
三上 俊治 東洋大学, 社会学部, 教授 (00114661)
児島 和人 東京大学, 社会情報研究所, 教授 (20114209)
竹内 郁郎 東洋大学, 社会学部, 教授 (10013038)
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Keywords | 放送メディア / 都市型CATV / ニューメディア / 高度情報社会 / 生活の情報化 / マスコミの影響過程 / マスメディアの受容過程 / 情報行動 |
Research Abstract |
本年度は、放送メディアの変容がもたらしつつある社会的影響過程を明らかにするため、ニューメディアの中でもある程度普及のすすんでいる都市型CATVを取り上げ、送り手から受け手にいたるマス・コミュニケーション過程に即して、総合的・実証的研究を行った。 1.情報環境変容の実態の把握:Hi-OVISの実験を引き継いで実用化した近鉄ケーブルネットワーク、難視聴対策からはじまり都市型CATVにグレードアップしたLCV(ライフコミュニティビジョン)、最初から都市型CATVとして出発した岩手ケーブルテレビジョン、の三つのCATV局(送り手)を事例として選び、ヒヤリング調査を実施して、放送メディアにどのような変化が生じているかを明らかにした。(1)都市型CATVの実用化は、放送メディアの多チャンネル化をもたらし、(2)それにともない、広い範域にわたるグローバルな情報からローカルな地域情報にいたるまで、娯楽番組、報道番組を中心に情報内容の多様化、専門分化が進行している。(3)また、双方向機能を活用して、セキュリティ、医療診断、水道メーターの検針など生活の情報化につながる新たなサービスが提供されている。といった放送メディアの変容と情報環境の多様化、専門分化への変化が改めて明らかになった。 2.受け手のサンプル調査による影響過程の把握:ヒヤリング調査を行ったCATV局の中からLCVを取り上げ、長野県諏訪地域の住民を対象に、600サンプルを無作為抽出して受け手調査を実施した。明らかにしようとした内容は、(1)多チャンネル化にともなうテレビ視聴行動、情報行動の変化。(2)CATVの利用と満足、評価。(3)放送メディアの社会的機能の変化。(4)CATVへの加入と普及要因、などである。現在、得られたデータを集計し分析中で、調査結果から放送メディアの影響過程を明らかにしつつある段階である。
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