1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04301028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東郷 正美 東京大学, 教育学部, 教授 (70041283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 健治 鳥取大学, 教育学部, 助教授 (10073694)
中村 泉 日本女子体育大学, 助教授 (60091055)
吉川 昭 東邦大学, 理学部, 教授 (30075329)
吉田 章宏 東京大学, 教育学部, 教授 (40017132)
大澤 清二 大妻女子大学, 人間生活科学研究所, 教授 (50114046)
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Keywords | 測定間隔 / 双生児 / 保育園 / 沖縄の離島 / 自然環境 / 人工環境 / 波動 / 自己回帰(AR)過程 |
Research Abstract |
研究計画に従い、多くの研究が行われた。本研究補助により新規に始められたもので主なものは、双生児を対象とするもので、既存の発育のデータの収集と、月次身体計測の開始である。同じく月次データであるが、鹿児島市のある保育園では昭和48年に始まり、現在に至る1才から就学前までの記録を含めて、欠測値のない記録の提供を受け、解析中である。双生児と並んで若年者の記録は貴重である。10日ごとに測定された計測値の解析も始められている。さらに最初2例だった一日2回の測定はさらに2例ふえて4例となった。これらの研究が新たに加わった為に、朝晩2回の測定から1年間隔の測定まで、特に例数の少なかった短間隔の測定例がふえた。 沖縄では、一離島において、例数は少ないながら同胞で発育の速度で表現した場合、申し合わせたように増加、減少が足並みを揃えている例が見つかった。比較的単純な暮しの反映かと考えられる。冷房のある家の子は肥満し始め、冷房のない家の子はひきしまった体格であることが一目瞭然である。これは都会の小学校においても、夏季に冷房で食欲はおとろえず、戸外での運動が減少する為に、肥満は夏休みに始まり、夏休みで加速される事実が確認された。 月次データでは発育に波動の存在が証明されたが、この波動の正体は自己回帰(AR)過程であり、ARを除去すると発育からは波動が消失する例がみつかり、他の例でも検討中である。 多くの研究者の協力で、被検者の年齢、性別、居住地域、単胎、多胎の別や、測定間隔などの幅が拡がり、例数がふえ、説得力のある結果が得られるものと期待できる。人為的な環境が発育に与える影響が、自然環境での発育との差として明らかになりつつあり、健やかに育つ為に教育に期待される役割について、この面からの接近も可能であろう。但し、他の面からの接近についても、大きな課題である。
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Research Products
(1 results)