1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04301065
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小田中 聰樹 東北大学, 法学部, 教授 (40083307)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光藤 景皎 大阪市立大学, 法学部, 教授 (10046930)
高田 昭正 大阪市立大学, 法学部, 教授 (50116472)
川崎 英明 島根大学, 法文学部, 教授 (30127485)
大出 良知 九州大学, 法学部, 教授 (50115440)
浅田 和茂 大阪市立大学, 法学部, 教授 (70067734)
|
Keywords | 自由心証 / 証明基準 / 経験則 / 論理則 / 社会通念 / 合理的疑い / 疑わしきは被告人の利益に / 情況証拠 |
Research Abstract |
本年度は,前年度に引き続き各研究分担者が所属機関の所持する設備を利用し,分担する個別テーマにつき研究を進めるとともに,全体合宿研究会(本年度は2回)においてその成果を報告し相互に討議した。その結果として得られた成果のうち最大のものを記せば次の通りである。 私たちは,事実認定の手続的特異性に留意し,これに即応する研究方法を探る必要のあることを共通の認識とすることができた。これ迄事実認定は専ら裁判官の個人的内心に関わる作業であってその実体を外部から客観的に分析することは不可能に近いと考えられてきた。そこで私たちは,法律実務家の協力を得ながらいくつかの具体的なケースを取り上げてその事実認定のプロセスを,証拠の採否,証拠評価の当否,証拠評価の基準,心証形成の当否などに即して具体的に検討する作業を積み重ねた。その結果,事実認定を客観的分析の対象として捉え直し可視化することの可能性を掴みつつあるといっていい。次年度はこの可能性を更に追求してみる必要があろう。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 小田中聰樹: "刑事手続改革の課題" 内藤謙先生古稀記念論文集. 149-172 (1994)
-
[Publications] 川崎英明: "刑事再審の現状と総合評価" 大阪市立大学法学雑誌. (1994)
-
[Publications] 阪村幸男: "日本における陪審制の理念と系譜" 大阪学院大学通信. 24. 717-730 (1993)
-
[Publications] 高田昭正: "情況証拠と合理的疑いを超える証明" 大阪市立大学法学雑誌. (1994)
-
[Publications] 田中輝和: "ヘルムート,マイアーの刑事再審論" 東北学院大学論集・法律学. 43・44. 127-165 (1994)
-
[Publications] 光藤景皎: "証人喚問権の蘇生" 福田平・大塚仁博士古稀祝賀論文集. 669-693 (1993)
-
[Publications] 渡部保夫: "陪審制と誤判" 刑法雑誌. (1994)