1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04302055
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮地 英紀 京都大学, 理学部, 助教授 (90025388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見沢 橄一郎 九州大学, 工学部, 教授 (10037707)
斎藤 幸夫 慶応大学, 理工学部, 助教授 (20162240)
宮本 嘉久 宮都大学, 総合人間学部, 助教授 (00174219)
彦坂 正道 山形大学, 工学部, 助教授 (60087103)
戸田 昭彦 京都大学, 理学部, 助手 (70201655)
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Keywords | 高分子結晶 / 結晶成長 / 平衝融取温度 / 高次構造 / モルフォロジー / レジーム転移 / 糀形成 / 薄膜 |
Research Abstract |
本科学研究費補助金の採択内定通知より先に、研究課題と同名の公開シンポジウムが高分子学会主催で11月20・21日に予定されており、研究分担者のほとんどが講師・パネラーとして発表・討論を行なった。しかだって、今年度は新たな研究会は開催せず、共同研究の実施と相互批判を行なった。 1.高分子及び鎖状分子の結晶化過程は、融液成長・溶液成長において本質的な違いはなく、過冷却度・結晶化温度をパラメータとして統一的に記述されている。この意味において宇晶の平衝融点の度立が重要である。ポリスチレン対して従来の報告されている値より20Kも高いことで示され、ポリスチレンでのレジーム転移に対して重大な疑問を投げかけた。 また伸び切り鎖結晶の形成が注目されているポリエチレンでは、温度・圧力に関する相図が三重点の含めて決定され今後の研究におおいに役立つ成果である。 2.融液成長の電子顕微鏡による直接観察がポリスチレンに対して行なわれ、特に膜における成長の特微として、結晶-融液界面に近傍で融液が薄くなっており成長速度の低下をもたらしていることが観察された。さらに高分解能観察が望まれる。ポリスチレンについては、光散乱、広角・小角X線散乱の系統的な研究から、結晶構造、ラメラ構造、球晶組織などの高次構造形成について知見が得られている。 3.ポリエチレンの融液成長の精密な実験が行なわれ、単一核成長(レジームI)から紙数核成長(レジーケII)への転移には6角形からレンズへの形態変化を伴うことが示され、計算機シミュレーションをおこなってミクロなモデルを構築した。 4.これらの実験結果に対して理論的解釈・批判が行なわれた。 5.ブレンド・共重合体の結晶成長、エピタクシー成長については着実な実験的研究が行なわれている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 戸田 昭彦: "Growth of Polyethylene Single Crystals from the Melt:Change in Lateral Habit and Regime I-II transition." Colloid and Polymer Science. 270. 667-681 (1992)
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[Publications] 戸田 昭彦: "Growth of Polyethylene Single Crystals from the Melt:Morphology." Colloid and Polymer Science. (1993)
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[Publications] 戸田 昭彦: "Growth Mode and Curved Lateral Habits of Polyethylene Single Crystals." Faradray Discussions. (1993)
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[Publications] 彦坂 正道: "Equilibrium Triple Point Pressura and Pressure Phase Diagram of Polyethylene." Polymer. 33. 2502-2507 (1992)
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[Publications] 宮本 嘉久: "Growth of Isotactic Polystyrene Crystals i清 Concentrated Solutions and in the Melt." Polymer. 33. 2496-2501 (1992)
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[Publications] 上羽 牧夫: "Roughening and Smoothing of Steps with Surface Diffusion." Surface Science. 283. 366-370 (1993)