1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04304013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松崎 昭夫 東京大学, 農学部, 教授 (50107405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 哲夫 東京農工大学, 農学部, 教授 (60226107)
村山 成治 弘前大学, 農学部, 助教授 (40003470)
立野 喜代太 佐賀大学, 農学部, 教授 (10038325)
橋川 潮 滋賀県立短期大学, 農業部, 教授 (50074042)
綱島 不二雄 山形大学, 農学部, 教授 (70089803)
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Keywords | 栽植密度 / 収量 / 水稲 / 低農薬 / 冷害 |
Research Abstract |
本年は,東北・北海道地方は冷害に,また西南暖地も長雨と日照不足に見舞われたため,全国的に生育が遅延し,登熟も不良であった.そうした条件下ではあるが,低農薬栽培を実現するために,栽植密度がどのように機能したかを検討した.北海道から鹿児島までの地域の広がりが大きく,供試品種や栽植密度もそれぞれの土地の慣行を標準としているために解析が困難な面もあるが,得られた結果の概要は次の通りである.なお,冷害等の被害が著しかった北海道,岩手,東北,宮城農短および宮崎大の成績は除いて考察した. 1.栽植密度〓〓と収量との関係をみると a)栽植密度の低い条件で多収が得られた場合; b)栽植密度の大小に関わらず収量に変化がみられなかった場合; c)栽植密度の増加に伴って収量が増加した場合;の3群に分類できた.a)群は本研究の目標とするところであり,個体の周りの環境改善を通じて,収量向上を目指すものであるが,この傾向を示したのは京都府立大学の成績のみであった.b)群は比較的高い収量を示す群とそうでない群とにわかれ,前者は地力・栽培技術がともに高い場合であり,後者はそのどちらかの要因のみからなっていると考えられた.c)群は栽植密度の大小が穂数や穎花数の多少に直接影響する条件を有する場合であり,本年はこの傾向を示したところが多かった. 2.7月,滋賀県立短期大学において栽植密度の研究に関するレビューと討論を行い,研究担当者の意識の統一を図るとともに,問題点の摘出を行なった.また,次年度に予定している事例調査の参考にするため,同校近隣農家の実践例を視察した.
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