1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04304019
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐伯 浩 京都大学, 農学部, 教授 (40026498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 圭造 京都大学, 農学部, 教授 (50026506)
岡野 健 東京大学, 農学部, 教授 (30011927)
高部 圭司 京都大学, 農学部, 助手 (70183449)
坂井 克己 九州大学, 農学部, 教授 (30015656)
福田 裕穂 東北大学, 理学部, 助教授 (10165293)
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Keywords | 植物細胞壁 / 生合成 / 木部分化 / セルロース / リグニン / 超微細構造 / 遺伝子 / 化学変換 |
Research Abstract |
木質は木部の細胞壁を構成している物質で、植物体の営みによって作り出され、巧妙な複合構造をもつ。本研究は、木質の生成から、超構造、その物性、変異性、変換までの関連する研究の相互協力を図ったものである。平成5年度は、前年度の研究打ち合せ結果により、5研究グループとして研究を推進し、成果をとりまとめた。1.木部分化並びにリグニン生合成系の分子生物学的研究:このグループでは、単細胞培養系における木部分化の分子生物学的解析並びにリグニン生合成遺伝子の解析と制御の研究が著しく進展した。 2.細胞壁成分の生合成機構と木質細胞壁の構築:この分野では、セルロースミクロフィブリルやリグニンの生合成・堆積の機構が電子顕微鏡を用いて追究され、一方で、培養細胞における細胞壁物質の生合成、木化過程のシミュレーションなどの生化学的研究が行われた。 3.木質細胞壁の生成機構とそ機能・物性との関連性:セルロースの二次・高次構造の基礎研究と樹木の木質に特有の機能である成長応力の発生機構と生成との関連性についての研究が精力的に推進された。 4.植物の系統、組織分化・形成と木質の不均一性・多様性:ここでは、木質化をもたらす物質-リグニンの不均一性が、その堆積機構、組織分化、機能分化、植物の種類など種々の要因から解析された。 5.木質成分の変換・可変性:この分野では、化学変換された木質の化学構造、生化学的変換のメカニズム、高圧水蒸気による物理的変換についての研究などが推進された。 以上の分野の各研究について現段階での到達点をまとめ、研究成果報告書を作成した。
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[Publications] 福田裕穂: "Molecular mechanism of xylem differentiation." J.Plant Res.Special Issue. 3. 97-107 (1993)
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[Publications] 山本浩之: "Generation Process of Growth Stresses in Cell Walls V.-Model of tensilestress generation in gelatinous fiber-." 木材学会誌. 39. 118-125 (1993)
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[Publications] 吉永新: "Compositions of lignin building units and neutral sugars in oak xylem tissue." 木材学会誌. 39. 621-627 (1993)
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[Publications] 奥山 剛: "樹木の成長応力" 木材学会誌. 39. 747-756 (1993)
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[Publications] 服部武文: "Formate and oxalate esters in lignin obstained from bagasse degraded by Lentinus edodes." 木材学会誌. 39. 1317-1321 (1993)
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[Publications] 渡辺 陽子: "カエデ属における細胞壁リグニンの多様性." 北海道大学農学部演習林研究報告. 50. 349-389 (1993)