1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04304028
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤池 紀生 東北大学, 医学部, 教授 (30040182)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 俊一 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (70014032)
野間 昭典 九州大学, 医学部, 教授 (00132738)
東 英穂 久留米大学, 医学部, 助教授 (10098907)
外崎 昭 山形大学, 医学部, 教授 (90004572)
富田 忠雄 名古屋大学, 医学部, 教授 (50078763)
高橋 国太郎 東京大学, 医学部, 教授 (10010034)
竹中 敏文 横浜市立大学, 医学部, 教授 (00045999)
反町 勝 鹿児島大学, 医学部, 教授 (70036440)
瀬山 一正 広島大学, 医学部, 教授 (70034006)
鈴木 光 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (80037548)
小林 春雄 東京医科大学, 医学部, 教授 (20074502)
久場 健司 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (60080561)
清原 壽一 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (50071874)
北里 宏 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20079700)
岡田 泰伸 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (10025661)
井上 勲 徳島大学酸素科学研究センター, 助教授 (80001973)
赤須 崇 久留米大学, 医学部, 教授 (60113213)
|
Keywords | レセプター / イオンチャネル / セカンドメッセンジャー / mRNA / cDNA / クロストーク / 生体電気シグナル / 神経細胞 |
Research Abstract |
本研究初年度の目的は近年著しく進展したcDNAクローニング法、m-RNA注入法および種々の細胞内セカンドメッセンジャー解析法を用い、生体電気信号発生におけるレセプターチャネル間信号交換のクロストークについての、総合的解明の基礎を作る事であった。 結果:プリン代謝物は神経のCa^<2+>チャネルのゲーティングを修飾しており(赤須)、ミトコンドリア内膜ではATPで制御されるK^+チャネルが存在する(井上)ことが判明した。ATPは、GABAa受容体のGABAとの結合親和性を修飾している(赤池)ことが発見され、プリン代謝物は、エネルギー供給面の他広く細胞内活性因子としてレセプターチャネル間シグナル伝達のクロストークに関与していることが明瞭になった。 一方、上皮細胞には特殊なCl^-チャネル(岡田)、褐色脂肪細胞のミトコンドリアには特殊なH^+チャネル(北里)が、血管内皮にはヒスタミンで開く陽イオンチャネル(鈴木)があることが判明した。これらの特色を神経のCl^-チャネル(山岸)やNa^+チャネル(瀬山)心筋のCl^-チャネル(野間)との特性と比較検討したところ、代謝状態や細胞内因子への依存性、及びイオン透過過程に大きな差異があり、それぞれの組織における細胞内クロストークの多様性とその機能が明瞭になった。 中枢及び末梢ニューロンでは、温度感覚性(清原)やムスカリン受容体性応答(赤池、小林)の分子機構が解明された。クロストークを支える細胞内装置としてCa^<++>ストアサイト(久場、反町、富田)やギャップ結合(外崎)の解析が進み、軸索輸送の制御因子(竹中)も明らかになった。これらのレセプターチャネルの一次構造を検討するため遺伝子工学の手法が導入された(高橋、東)。 本研究は平成4年度11月に採択されスタートしたが、現在数々の新しい知見が得られており、その結果は既に各種ジャーナルに投稿中である。
|