1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04306011
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
中岡 哲郎 大阪経済大学, 経営学部, 教授 (80073360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 恒之 国立民族学博物館, 教授 (10133612)
日野 永一 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (30027700)
金子 六郎 東京農工大学, 名誉教授, 名誉教授
田中 国昭 千葉大学, 工学部, 教授 (10015042)
村上 陽一郎 東京大学先端科学技術センター, 教授 (40012504)
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Keywords | 産業技術史 / 文明論 / 近代文明 |
Research Abstract |
産業技術の発展は生活、生産、社会といった文明の各現場との複合的なかかわりの中で総合的に検討される必要があるという認識のもとで、(1)産業技術の発展が近代文明の形成に果たした役割を明らかにするための研究会として(1)山田慶児「日中比較技術史の構想」、(2)遠藤一夫「米欧回覧表記と西洋文明」、(3)川勝平太「日・欧における生産技術革命と『脱亜』、および(2)産業技術史の文明論としての研究方法の確立を図るための研究会として(1)村上陽一郎「文明と産業技術」、(2)松本三和夫「科学社会学者からみた産業技術史」、(3)内田敬之「生協用電気自動車開発の経験を通して自動車文明を考える」、(4)末石冨太郎「リサイクルト市民研究」の7回の研究会を開催した。 研究会は研究分担者を含む広範な専門分野の研究者を招き、産業技術の発展と文明形成との関係の諸断面について報告を聞いた上で、研究分担者や研究協力者が討論をする形で行われた。きわめて多彩な問題をめぐって行われた報告や討論により明らかにされたことは、(1)近代文明の形成過程と産業技術の発展過程とは相互に深く関係しあいながら進行しており、日本における近代文明の形成過程の特徴についても、産業技術の発展を手掛かりに解明され得るところが多大であること、(2)産業技術の発展を文明論的に検討することを通して、現在や将来の技術文明をめぐる諸問題をより具体的に考えるための指針が提供されつつあること、(3)産業技術史に期得される(1)や(2)の役割を果たすためにも、総合科学としての産業技術史研究の方法が提言、構築されなければならないこと、である。
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