1993 Fiscal Year Annual Research Report
ライフサイエンスの推進力としてのウイルス研究の方法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
04306022
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
畑中 正一 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (30142300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉村 隆 国立がんセンター, 名誉総長 (70076959)
関口 睦夫 九州大学生体防御医学研究所, 教授 (00037342)
富澤 純一 国立遺伝学研究所, 教授 (60227618)
江橋 節郎 岡崎国立共同研究機構, 前機構長 (10009863)
伊藤 嘉明 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80004612)
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Keywords | 研究のフロンティア / 窒息的な現状 / 日米比較 / 独創的研究 / 若い研究者の独立 / 新しい組織の模索 |
Research Abstract |
本年度実施の班会議の詳細は別冊子にまとめてある。将来のライフサイエンス研究の方向に関しては、脳機能、免疫、発生・分化・増殖調節等々若い研究者を魅了する数々の研究のフロンティアが論議された。そしてそれらの基礎研究が人間の病気の本態解明と不可分の関係にある事も認識された。 一方新しい研究を行うための研究体制に関しては杉村班員による「日本の科学(研究体制)の現状は窒息的である」という発言に象徴される様に現状の不備が次々に指摘された。そして現在アメリカの体制内で研究しているか、あるいは過去にその体験を持つ研究者(利根川等)、更には日本に於いて新しい組織を作った体験を持つ班員(江橋、杉村、井川、高浪、関口等)より日米の比較、日本の制度で早急の改善の望まれる具体例が数多く指摘された。特に注目すべき点はアメリカから独創的研究が多く出る理由の一つとして、アメリカでは若い研究者が独立して自由に研究できる体制ができており、それら若い研究者の活力がアメリカ全体の科学の力の源となっているという指摘である。現在いくつかの日本の大学等でライフサイエンス系研究グループの再編、ライフサイエンスセンターあるいは独立研究科の創設等の構想が検討されている。本研究で明らかになった日本の科学研究体制の欠点とその改善策は、これらの新しい組織づくりを模索している大学等にきわめて有意義な、しかもタイムリーな示唆を与えるものと考えられる。殆どすべての本研究班の班員が、日本のどこかでブレークスルーを作り、それが全国に広がるのが望ましいという期待を表明した。
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