1992 Fiscal Year Annual Research Report
1992年インドネシア国フローレス島地震と,その津波に関する調査研究
Project/Area Number |
04306024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
都司 嘉宣 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30183479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伯野 元彦 東洋大学, 工学部, 教授 (10016321)
渋谷 純一 東北大学, 工学部・建築工学, 助教授 (70005461)
武尾 実 東京大学, 地震研究所, 助教授 (00197279)
今村 文彦 東北大学, 工学部・災害制御研究センター, 助教授 (40213243)
河田 恵昭 京都大学, 防災研究所, 助教授 (10027295)
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Keywords | 地震災害 / 津波災害 / 沿岸密集集落の津波災害 / 発震後数分内に来襲する津波 / 地盤流動化 / 崖崩れ / ライフラインの復旧 / 逆断層型巨大地震 |
Research Abstract |
本研究に参加した6人をフローレス島地震津波調査団として1992年12月25日ジャカルタに入り、26日インドネシア国気象庁の4人の研究者と調査活動の打ち合せを行ったのち、29日朝から1月5日夕刻までの8日間、最大被災地となったフローレス島東部のマウメレ市とその周辺海岸地域の調査を行った。今回の調査では、地震被害調査、津波調査、および現地余震観測の3つの調査を行った。マウメレ市は港を含め海岸地区の地盤液状化によるレンガ、およびコンクリート構造物の被害が著しかった。また山岳部道路の亀裂、段差発生、岩石崩落、路肩欠損などにより、交通路の確保の難しさが認識された。マウメレ市の東北方45kmの人口に人口約1300人のバビ島があり、全度が津波で流失し、推定約500人が死亡、または行方不明となった。バビ島はじめ津波被災地の約100名近い被災者にインタビューして被災時の様子を聞き出した。地震動そのものによって、家屋の倒壊、居住地内での地面の亀裂、山の斜面からの落石を経験してパニック状態となっているところへ、3分後には6,7mの津波に襲われた。海岸線すぐ近いところで、地震、津波が発生したときの生存のための避難活動の困難さ、問題点を聞き出すことが出来た。フローレス本島の東北端に近いクロコ村で津深は海抜26.2mに達しているところがあり、今回の津波が、昭和8年の三陸津波に匹敵する大津波であったことが判明した。被災地からジャカルタにもどって1月8日に、インドネシア国の気象庁関係者、地震研究者、バンドン工科大学の工学の教授などと、8時間にわたる発表討論会を持ち、インドネシアの国情に応じた地震津波災害対策と、将来の共同研究体制について話し合った。
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