1992 Fiscal Year Annual Research Report
副成分鉱物の希土類元素分配に基づく花崗岩マグマ固結過程の解析
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04402016
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 和博 名古屋大学, 理学部, 助教授 (90111624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎並 正樹 名古屋大学, 理学部, 助手 (20168793)
足立 守 名古屋大学, 理学部, 助教授 (10113094)
杉崎 隆一 名古屋大学, 理学部, 教授 (10022576)
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Keywords | 花崗岩 / 副成分鉱物 / 蛍光X線分析 / 全岩化学組成 / EPMA分析 / 希土類元素 / CHIME年代 / 領家帯 |
Research Abstract |
科学研究費補助金の交付を受けて蛍光X線分析装置を購入し、日本各地の花崗岩の全岩化学組成と鉱物化学組成を定量して次の成果を得た。 1.南部北上山地の氷上花崗岩を調査して、この岩体が磁鉄鉱を含む岩相とモナズ石を含む岩相から構成されていることを明らかにした。また、氷上花崗岩の年代は従来先シルル紀と考えられていたが、モナズ石やジルコンのCHIME年代を測定した結果、磁鉄鉱を含む岩相は350Ma、モナズ石を含む岩相は250Maの貫入岩であることが判明した。この成果は岩石鉱物鉱床学会誌に報告した。 2.愛知県岡崎市産武節花崗岩について、全岩の蛍光X線分析と共存する燐灰石・モナズ石・ゼノタイム・ジルコンの希土類元素EPMA分析を実施して、副成分鉱物の晶出順序が希土元素と燐あるいはジルコニウムと珪素の溶解度積で定まることを明らかにした。この結果はGeochemical Journalに投稿し、現在、印刷中である。 3.愛知県足助地域の伊奈川花崗岩の地質調査と約150個の全岩蛍光X線分析を実施して、伊奈川花崗岩が5個の貫入単位から構成されていること、SiO_2含有量が65%-75%の組成変化を示すこと、各貫入単暁の化学組成は重複していることを明らかにした。これにより分化しつつあるマグマが遂次貫入し、その後も分化したことが示唆された。また、この研究でAlとFを含むチタナイトを発見した。その岩石学的意義についてEur.J.Mineral.に投稿し、印刷中である。 4.愛知県設楽地域の三都橋花崗岩はzoned plutonであることを地質調査により明らかにした。また、約120個の全岩組成を蛍光X線で定量し、SiO_2含有量が60-77%の範囲にあること、岩体周辺は変成岩を同化してAl過剰になりざくろ石や白雲母で特徴づけられるS-タイプになったこと、などが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 鈴木 和博,足立 守,山後 公二,千葉 弘一: "南部北上帯氷上花崗岩および“シルル・デボン系"砕屑岩中のモナザイト・ジルコンCHIME年代" 岩鉱(岩石鉱物鉱床学会誌). 87. 330-349 (1992)
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[Publications] Enami.M.,Sizuki,K.,Liou,J.G.,Bird,D.K.: "Al-Fe^<3+> and F-OH Substitution in titanite and constraints on their P-T dependence" European Journal of Mineralogy. 5. (1993)
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[Publications] Suzuki,K.,Adachi,M.Yamamoto,K.,Nakai,Y: "Jntra-grain distribution of REE and Crptallization sequonce of accessory in the Crepacoous Busetsu granite at Okazaki,central Japan" Geochemical Journal. 27. (1993)