1992 Fiscal Year Annual Research Report
エピタキシャル成長の動的素過程の時間分解測定法の開発と反応種の表面泳動の研究
Project/Area Number |
04402017
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
財満 鎭明 名古屋大学, 工学部, 助教授 (70158947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小出 康夫 名古屋大学, 工学部, 助手 (70195650)
安田 幸夫 名古屋大学, 工学部, 教授 (60126951)
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Keywords | 表面泳動 / RHEED振動 / 時間分解測定 / エピタキシャル成長 / 表面反応 |
Research Abstract |
本研究では、気相-固相界面反応における動的素過程に関する知見を得るために、反応分子・原子の表面マイグレーションを評価し、それを支配している要因を明らかにすることを目的としている。特に、本年度は、RHEED強度解析装置と分子線源を用いてRHEED強度振動の時間変化を追跡するための装置と表面の微視的状態を観察するための表面極微状態観察装置を組み合せた装置を試作すること、およびそれを用いた予備的な実験をすることを行なった。 装置の試作に関しては、ほぼ予定通りに進行し、成長およびRHEED観察用チェンバ、表面極微状態察用チェンバおよび試料導入チェンバの3室構成の装置を試作した。真空系の到達真空度は3x10^<-10>Torrであり、0.24A/secの蒸着速度の検出能力を備えているために、反応種の供給量を原子層オーダ以下でもコントロール可能になっている。RHEED強度振動解析装置では、サンプリング率8.3x10^<-8>sec/channel、0.026sen/frameの測定が可能である。また、表面極微状態観察装置では、数A以上の分解能で1000Ax1000Aの領域の観察が可能であることを確認した。 ジシランガスを用いたSi(100)-2x1清浄表面へのホモエピタキシャル成長過程を、RHEED強度の時間変化から調べた。その結果、基板温度が高くなると、成長モードは2次元核形成モードからステップ前進モードに変化するが、その温度は供給ガス分圧に依存することが明らかになった。また、低温での2次元核形成モードにおいて、第一層目が成長するまでの時間は第二層目の成長時間に比較して短いことが観察された。これは、二層目以降では基板表面上に水素が吸着することにより、反応種の吸着反応速度が変化するとして解釈できる。成長速度から求めたジシランガスの実効的な吸着反応速度係数は0.1〜0.2であり、シランガスの約100倍の値であることが分かった。
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