1993 Fiscal Year Annual Research Report
エピタキシャル成長の動的素過程の時間分解測定法の開発と反応種の表面泳動の研究
Project/Area Number |
04402017
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
財満 鎭明 名古屋大学, 工学部, 助教授 (70158947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩野 博隆 名古屋大学, 工学部, 助手 (50252268)
安田 幸夫 名古屋大学, 工学部, 教授 (60126951)
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Keywords | 表面泳動 / 動的素過程 / RHEED振動 / エピタキシャル成長 / 表面反応 |
Research Abstract |
半導体エピタキシャル成長における固相-気相界面反応の動的素過程を"捉え"かつ"制御"することは、原子尺度で制御された積層構造を実現する上で不可欠の課題である。本年度の研究では、反応種の表面泳動に加えて、Ge/Si系における原子の表面偏析過程について調べ、偏析を制御する方法を明らかにした。 Ar^+レーザ光の照射が成長過程に及ぼす影響を、ガスソースMBEを用いたSi/SiおよびGe/Siエピタキシャル成長に対して明らかにした。Ar^+レーザ光はほとんど気相中の分子を励起しないため、表面励起による成長過程の変化を捉えることができる。光照射により観測された特徴的な実験結果は、成長速度の促進とRHEED強度振動の消失が起こる成長温度の低下が見られた点である。光照射による成長速度の促進は、本実験条件では、約0.1MLの表面吸着水素が光脱離し、反応種の吸着サイトが増加するためであると考えられる。また、同時にRHEED強度振動の時間的減衰が観測され、吸着水素の光脱離により反応種の表面泳動が促進されたと考えられる。さらに、RHEED強度振動がより低基板温度で消失することも、反応種の表面泳動の促進によるステップ前進モード成長の促進として解釈できる。 Si基板上にGe膜を1〜6層成長させ、さらにその上にSi膜をエピタキシャル成長させた場合について、表面の偏析過程を調べた。その結果、ガスソースMBEの成長条件を最適化することで、減衰長を固体ソースMBEの場合の1/2〜1/8に低下させることができた。偏析機構は固体ソースMBEの場合と同様のTwo-site exchange modelで説明できるが、ガスソースMBEでは水素原子が成長表面の未結合手を終端することで、見かけ上の偏析による自由エネルギー変化を小さくしていると考えられる。 以上の結果より、反応種の表面泳動や表面偏析などの動的な表面反応過程に水素原子が深く関与しており、またその過程の制御の可能性を明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Koide: "In-situ RHEED study on the effect of light irradiation on Ge/Si heteroepitaxal growth by GeH_4 source MBE." J.Crystal Growth. 120. 284-289 (1992)
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[Publications] N.Oshima: "Initial growth of Ge films on Si(111)7×7 surfaces by gas source moleculas beam epitaxy." Appl.Surf.Sci.60/61. 120-125 (1992)
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[Publications] Y.Yasuda: "RHEED studies of initial stage of Ge film growth on (311)Si by gas source mclecular beam epitaxy." J.Crystal Growth. 128. 319-326 (1993)
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[Publications] Y.Yasuda: "Relationship between growth processes and strain relation in Si_<1-X>Ge_X films grown on(100)Si-(2×1) surfaces by gas source mclecular beam epitaxy." J.Appl.Phys.73. 2288-2293 (1993)