1993 Fiscal Year Annual Research Report
ナノプローブ電子顕微鏡による構造相転移の微視的パターン形成の研究
Project/Area Number |
04402051
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 直紀 東京工業大学, 理学部, 助教授 (90108184)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箕田 弘喜 東京工業大学, 理学部, 助手 (20240757)
|
Keywords | 電子顕微鏡 / 構造相転移 / パターン形成 / 整合不整合相転移 / ディスコメンシュレーション |
Research Abstract |
本年度は、初年度に予備観察を行った試料についてナイブローブ機能を持つ電子顕微鏡を用いて微視的パターンの結晶学的性質を調べることを行った。 a)BaZnGeO_4ではC-IC相転移に発生するstrippleを観察し、その発生およびstripple間の相互作用を含む成長過程をTVカメラで捉えることに成功した。strippleの発生段階では多数の発生核が現れ、strippleとして成長する一部を除いて他は揺らぎとして消えてしまうのが見られた。同様に、降温過程でのantistrippleの発生と成長の観察を行い、DCの作るパターン変化の特徴が明確に示された。昇温及び降温過程で散漫散乱の強度分布に差があることが分かり、DC位置の間の相関をそれから解析している。 この物質には一連の相転移系列の他に、電子線を照射することにより誘起される別の相が複数個存在することが明かとなった。これらの相の空間格子や対称性を調べ、六方晶から斜方晶へ対称性が変化した相が存在することが分かった。 b)pb_3(PO_4)_2の六方晶-単斜晶相転移に現れる散漫散乱が、低温相のマイクロドメインによることを示唆する電顕像が得られた。しかし、現在のところコントラストが弱いため、さらに異なる方位での観察を予定している。 c)Ba_2NaNb_5O_<15>(BSM)は300℃以下で不整合相に相転移するが、さらに250℃以下で擬不整合相と呼ばれる相に転移する。不整合構造を特微づけるのは反位相境界の配列であることが分かっており、相転移におけるそれらの境界の変化や特徴的な分域の発生などが観察された。現在、メモリー効果と発生する分域構造との対応について調べている。
|
-
[Publications] N.Yamamoto: "Light Emission from Electron Irradiated Materials" Intern.Workshop on Electron-beam Assisted Processes. 1. 59-64 (1993)
-
[Publications] 山本直紀: "遷移放射" 固体物理. 29. 1-13 (1994)
-
[Publications] T.Tadokoro: "Growth and characterization of CdiS epilayers on (100)GaAs by atomic layer epitaxy" J.Crystal Growth. 130. 29-36 (1993)