1992 Fiscal Year Annual Research Report
無機固体表面上の有機薄膜の構造と界面電子構造の実験的研究
Project/Area Number |
04403001
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
関 一彦 名古屋大学, 理学部, 教授 (80124220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 久夫 名古屋大学, 理学部, 助手 (60232237)
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Keywords | 有機 / 無機界面 / 電子構造 / 仕事関数 / ケルビン法 / 紫外光電子分光 / 界面 / 逆光電子分光 / 色素 |
Research Abstract |
本研究の目的は、近年、色素増感、分子エレクトロニクスなど種々の分野で重要性を増している、無機固体表面上に作成した有機薄膜の構造、電子構造について、これまで我々が用いてきた電子構造研究法である紫外光電子分光法に加えて、ケルビン法による仕事関数測定、逆光電子分光法などの諸種法を組み入れた総合的研究を行おうとするものである。本年度はまず有機固体の測定に適した測定装置の検討を行い、上記の諸手法を十分に駆使できる真空チェンバーおよびイオンポンプ、ターボ分子ポンプを中心とする超高真空排気系を設計、製作した。これらは既に納入され、真空テストを行っているが、順調な結果を得ている。更に光電子分光、さらに将来は励起原子源を作成する事でペニングイオン化電子分光にも用いるための静電半球型電子エネルギー分析器を設計、製作し、現在調整を別チェンバーで行っている。また本研究課題の予備的実験として、塩化銀上に蒸着したメロシアニン色素薄膜と塩化銀の界面の電子構造について紫外光電子分光測定を行い、色素の増感能と良く対応する結果を得ている。またケルビン法による仕事関数測定についても、別装置により予備的測定を金属上の長鎖化合物について行い、興味ある結果を得ている。このように個々の測定手法についての準備は着実に進んでおり、また装置の製作、調整もエネルギーの分析器関連事項がやや予定よりも遅れ気味であることを除けば順調に進んでおり、平成5年度作成予定の試料作成室が完成すれば、種々の界面についての実験を行う事でより興味ある実験的知見が得られるようになると期待している。
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