1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04403008
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
桑嶋 功 東京工業大学, 理学部, 教授 (50016086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 良昭 東京工業大学, 理学部, 助教授 (80209296)
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Keywords | タキソール / アトロプ異性 / 8員環閉環 / エンド規制 |
Research Abstract |
本年度はタキソールの合成を目指して研究を行ない、以下の成果を得た。 (1)A環に相当するα-ヒドロキシアルデヒドのエナンチオ選択的合成について検討し、高い光学純度で目的のアルデヒドを高収率で合成する方法を確立した。さらに、このアルデヒドを出発原料としてC環と立体化学を制御して連結し、環化前駆体を合成した。 この前駆体はアトロプ異性体の混合物であり、閉環に不適切であったが、1-及び2-位の水酸基を保護基で連結することによりこのアトロプ異性の問題を解決できることを示した。この化合物に当研究者が開発した手法を適用して効率良くB環を構築し、必要な全ての立体化学を制御してタキサンの三環性炭素骨格を持つ化合物の光学活性体の合成に成功した。 (2)モデル化合物を用いて、7-位の水酸基の導入について検討した。その結果、C環エノンを用いて9-位の水酸基の分子内関与を利用する事により7-位での選択的エノール化が可能であり、t-ブチルヒドロペルオキシドを用いて酸化することにより7-位に立体選択的に水酸基が導入できることを明らかにした。さらにこの7-位水酸基を手掛かりにしてタキソールに必要な8-位メチル基の導入についても検討を加えた。 (3)タキソールの別途合成法として、A及びC環共に光学活性体を利用する方法についても検討を加え、C環に相当する化合物の光学活性体を合成し、A環と立体化学を制御して連結するという光学活性環化前駆体の合成法を確立した。 また、C-ar-タキソールを経由する合成法についても検討を加え、C-ar-タキソールの9-ケト体をBirch環元及びメチル化することにより、目的の8-位にメチル基を導入したタキソール三環性炭素骨格を持つ化合物の効率的合成法も併せて開発した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Morihira: "“The Seven Membered Ring Intermediate to Control the Stereochemistry on the Eight-Membered Taxane B Ring Cyclization"" Tetrahedron Lett.34. 345-348 (1993)
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[Publications] M.Seto: "“Synthesis of C-Aromatic Taxinine Derivatives"" Chem.Lett.133-136 (1993)
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[Publications] A.Adachi: "“An Enanthioselective Synthesis of Anthracycline Precursors"" Journal of Org.Chem.58. 4189-4190 (1993)
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[Publications] T.Furukawa: "“Diastereoselective Conjugate Addition for Construction of Taxane Precursors"" Chem.Lett.1279-1282 (1993)
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[Publications] S.Marumoto: "“Regiochemically and Stereochemically Defined Synthesis of Allylsilanes"" Journal of Am.Chem.Soc.115. 9021-9024 (1993)
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[Publications] M.Takayanagi: "“A Novel Transformation Involving Selective Formation and Cleavage of C-C Bonds"" Journal of Am.Chem.Soc.115. 12635-12636 (1993)