1992 Fiscal Year Annual Research Report
天然抗腫瘍性・発癌性物質および関連物質の構造と合成
Project/Area Number |
04403009
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 靜之 名古屋大学, 理学部, 教授 (90022540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木越 英夫 名古屋大学, 理学部, 助手 (90169839)
小鹿 一 名古屋大学, 理学部, 助手 (50152492)
丹羽 治樹 名古屋大学, 理学部, 助教授 (20135297)
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Keywords | 海産抗腫瘍性物質 / 絶対立体構造 / 全合成研究 / わらび発癌物質 / 求電子活性物質 / DNAアルキル化 |
Research Abstract |
海産抗腫瘍性物質アプリロニン。 1.絶対立体構造の決定。天然品の分解反応で得られる3種類の化合物と2種類のアミノ酸誘導体をエナンチオ選択的に合成することにより、アプリロニンの全立体構造を決定した[構造式(1)を参照]。 2.全合成研究。アプリロニンの主鎖を構成する3種類のフラグメントをエナンチオ選択的に合成し、ついでJulia反応を用いてこれらのフラグメントを結合し、さらにHorner-Emmons反応により4炭素増炭を行いセコ酸を合成した。セコ酸を山口法によりラクトン化して、24員環マクロリド化合物(2)を合成した。 わらび発癌物質に基づく求電子活性物質の合成とDNAの反応。 1.わらび発癌物質から誘導される求電子活性物質(3)に基づき設計した化合物(4)をシクロペンテン-1,2-ジカルボン酸の酸無水物から効率良く合成した。ついで、化合物(4)とサケ精子DNAを反応させ、熱加水分解して得られるアルキル化塩基の構造を決定した[構造式(5)、(6)]。 2.天然求電子活性物質(3)を放射性リンで標識した二本鎖DNAと反応させ、生成物をMaxam-Gilbert法で分析するとアデニンの位置で切断されることが判明した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hideo Kigoshi: "Syntesis of Analogues of a Bracken Ultimate Carcinogen and Their DNA Cleaving Acitivities." Tetrahedron Letters. 33. 6647-6650 (1992)
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[Publications] Hideo Kigoshi: "Total Synthesis of Natural (-)-Ptaquilosin,the Aglycon of a Potent Bracken Carcinogen Ptaquiloside and the (+)-Enantiomer,and Their DNA Cleaving Activities." Journal of the American Chemical Society. 115. (1993)