1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04403023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 眞狩 東京大学, 農学部, 教授 (60011889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依田 幸司 東京大学, 農学部, 助教授 (20143406)
高月 昭 理化学研究所, 主任研究員 (80011972)
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Keywords | 蛋白質細胞内輸送 / Usol蛋白質 / パン酵母 / 分裂酵母 / ブレフェルディンA / フォリマイシン / コンカナマイシンA |
Research Abstract |
我々は従来パン酵母を材料として、37℃で小胞体からゴルジ体への蛋白質細胞内輸送が停止する温度感受性変異株usolを取得しその解析を進めてきた。Usol蛋白質はその想定アミノ酸の配列から1790アミノ酸(約200kd)よりなりN末側にカルシュウム結合配列をもち、C末約1100アミノ酸はコイルドコイル状を呈していると推測されていた。Usol蛋白質に対するウサギの抗血清を得てしらべると、実際に酵母菌の細胞質画分中に約200kdの蛋白質として存在することが判明した。またUsol蛋白質の精製を行なう過程で、その密度勾配遠心やゲル濾過の挙動から、上記推定どおり繊維状をしていることが判明した。そしてusol変異株に於いては約100kdの蛋白質になっていることが明らかとなった。塩基配列の解析の結果、usol変異株では途中でナンセンス変異が入りC末側が欠失しコイルドコイル部分が約250アミノ酸しかなく、このため温度感受性が生じていることが判明した。面白いことにusol変異は37℃でもカルシュウムを1mM程度与えれば変異が抑制されることが分かったが、放射性カルシュウムを用いて調べたかぎりでは、Usol蛋白質のカルシュウム結合能は見いだせなかった。 一方、分裂酵母を材料として、多コピーでブレフェルディンA耐性を与えるDNA断片を各種クローン化しその各断片の塩基配列の決定を行なった。そのうち1つから読取り枠が見いだされ、新規遺伝子と考えられたので、これをbfr2^+と命名した。この遺伝子はショウジョウバエのmov34という遺伝子との部分相同性が認められたが、この遺伝子の機能は分かっていない。また最近分裂酵母からクローン化されたpadl^+と同一であると思われる。BHK細胞-NDVウイルスの系を用いて蛋白質細胞内輸送阻害剤の探索を行い、フォリマイシン(コンカナマイシンA)を得た。小胞体からゴルジ体への輸送の段階を阻害すること、しかしその作用点は液胞型H^+-ATPaseであることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Makoto Muroi: "Folimycin(concanamycin A),an inhibitor of V-type H-ATPase blocks cell-surface expression of virus-envelope glycoproteins." Biochem.Biophys.Res.Comm.193. 999-1005 (1993)
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[Publications] Makoto Muroi: "Folimycin,a specific inhibitor of V-ATPase,blocks intra-cellular translocation of the glycoprotein of VSV." Cell Struct.Func.18. 139-149 (1993)