1992 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウム/カルモデュリン依存性多機能性蛋白質燐酸化酸素による中枢神経機能の制御
Project/Area Number |
04404024
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
藤澤 仁 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10027039)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木谷 隆子 旭川医科大学, 医学部, 教務職員 (70101417)
竹内 昌之 旭川医科大学, 医学部, 助手 (40226999)
石田 敦彦 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90212886)
亀下 勇 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (60127941)
|
Keywords | カルシウムイオン / カルモデュリン / 多機能性蛋白質燐酸化酸素 / カモルデュリン依存性蛋白質燐酸化酸素II / カモルデュリン依存性蛋白質燐酸化酸素IV / 自己燐酸化 / アイソフォーム / セカンドメッセンジャー |
Research Abstract |
細胞内情報伝達系の代表的なセカンドメッセンジャーの1つであるカルシウムイオンは特に中枢神経機能の発現、制御に中心的な働きをしていると考えられており、カルシウムイオンとカルモデュリンによって活性化される多機能性蛋白質燐酸化酸素、キナーゼIIとキナーゼIVがその主要な部分を担っていると思われる。本研究ではこの2つのカルモデュリン依存性多機能性蛋白質燐酸化酸素による中枢神経機能の調節を明らかにするために、先ずキナーゼIIとキナーゼIVの活性制御機構の研究を中心に研究を進めた。キナーゼIIはカルシウム/カルモデュリンによって活性化されるが、カルシウム/カルモデュリンによる酸素の活性調節機構を詳細に検討した結果、カルシウム/カルモデュリンは酵素を活性化すると共に顕著な不安定化作用も示すことを見出し、酵素の活性化と不活性化に密接に関わっている可能性が示唆された。キナーゼIVもキナーゼIIと同様、カルシウム/カルモデュリンによって活性化され、さらに自己燐酸化やキナーゼAによる複雑な活性調節を受けていることが明らかになり、その機構を調べた。自己燐酸化によって活性は約10倍上昇し、ATPに対する親和性が増大した。自己燐酸化を受ける部位はキナーゼIVのカルボキシル末端に近い437位のセリンである。さらにラット脳のキナーゼIVのcDNAを大腸菌で発現させると、不活性なキナーゼIVが産生されること、この不活性なキナーゼIVを脳の抽出液とインキュベートすると活性が出現することからキナーゼIVの活性発現に関与する因子が脳に存在することを明らかにした。これらの酵素化学的蛋白質レベルでの検討の他、DNAレベルでの研究も発展させ、キナーゼIIのアイソザイムを肝臓からクローン化してその配列を明らかにし、脳のキナーゼIIアイソフォームの配列との比較からスプライシングによるアイソフォーム形成機構を明らかにする等の成果を挙げた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Miyano,O.: "Purification and Characterization on of a Brain-specific Multifunctional Calmodulin-dipendent Protein Kinase from Rat Cerehellum" J.Biol.Chem.267. 1198-1203 (1992)
-
[Publications] 藤澤 仁: "多機能性カルモジュリン依存性タンパク質リン酸化酸素" 生化学. 64. 14-25 (1992)
-
[Publications] 石田 敦彦: "Ca^<2+>/カルモデュリン依存性プロティンキナーゼIIの構造とアミン代謝" 蛋白質、核酸、酵素. 37. 1577-1589 (1992)
-
[Publications] 奥野 幸子: "神経細胞とセカンドメッセンジャー-カルモデュリン系-" ブレインサイエンス. 3. 345-351 (1992)
-
[Publications] Kameshita,I.: "Autophosphorylation of Calmodulin-dependent Protein Kinase IV from Rat Cerebral Cortex" J.Biochem.
-
[Publications] Fujisawa,H.: "Molecular Basis of Neuronal Connectivity" Kohko-do,Niigata, 3 (1992)