1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04404038
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
青山 英康 岡山大学, 医学部, 教授 (40032875)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 敏秀 岡山大学, 医学部, 助手 (20231433)
甲田 茂樹 岡山大学, 医学部, 講師 (50205332)
三野 善央 岡山大学, 医学部, 助教授 (80181965)
|
Keywords | プライマリ・ケア / うつ病 / 精神保健 / 家族 / 感情表出 / 分裂病 |
Research Abstract |
プライマリケア患者におけるうつ病の有病率を明らかにし、有効かつ簡便な質問紙を開発する目的で、2か所の地域診療所において質問紙調査を行った。質問紙の内容は、アメリカ精神医学会診断基準に基づいて作られたInventory to Diagnose Depression(IDD)、ニューヨーク州立大学家庭医学教室Froom教授らの開発したうつ病スクリーニングのための3項目の質問表などとした。2診療所を1992年2月の3日間および5日間に受診した患者全員を対象とし、90%の対象者から有効回答を得た。大うつ病(DSM-III-R)の時点有病率は6.8%であった。3項目でのスクリーニング検査での感度は0.5から0.6であり、特異度は0.82から0.95であった。したがって、感度の向上を目指した質問表の改善が必要と考えられた。 家族の感情表出(Expressed Emotion,EE)と分裂病の再発に関しては、地域の一精神病院に一年間に入院した患者のうち、家族と生活している分裂病者70名を対象に家族のEE評価および退院後9カ月間の再発率を検討した。EE評価における評価者間の信頼性は相関係数0.9前後であり、評価者間の信頼性は高かった。その結果、55%の分裂病者が高EEの家族と生活していると判定された。高EE群の分裂病者の再発率は低EE群と比較して、高率となっていた。したがって、EEでの家族評価は分裂病再発に関するハイリスクグループを特定する有効な手段となると考えられた。
|