1993 Fiscal Year Annual Research Report
心筋小胞体カルシウムシグナリング蛋白質調節の分子機構と細胞生物学的意義の解明
Project/Area Number |
04404045
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
多田 道彦 大阪大学, 医学部, 教授 (90093434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津 欣也 大阪大学, 医学部・付属病院, 医員
星田 四朗 大阪大学, 医学部, 助手 (80238732)
葛谷 恒彦 大阪大学, 医学部, 助教授 (80150340)
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Keywords | 心筋小胞体 / カルシウムシグナリング / 分子機構 / 細胞生物学 / ホスホランバン / カルシウムポンプ |
Research Abstract |
心筋小胞体膜蛋白質ホスホランバンは、直接蛋白-蛋白相互作用によりカルシウムポンプ活性を制御することにより心筋の収縮弛緩を調節している。我々は分子生物学的手法を用いてその2蛋白質の遺伝子発現および相互作用を検討している。単離心筋細胞において甲状腺ホルモンのホスホランバン、カルシウムポンプの発現に対する効果を検討した。甲状腺ホルモンによりホスホランバンmRNAは24時間で対照の半分に低下した。一方、カルシウムポンプmRNAは時間とともに増加した。細胞よりミクロゾームを単離し、カルシウム取り込みを解析したところ、甲状腺ホルモンにより最大活性の増加、カルシウムに対する親和性の増加を認めた。従ってホスホランバンによるカルシウムポンプ活性調節は従来から知られていた燐酸化を介するものとは別に、遺伝子発現を介する新しいメカニズムが存在することがあきらかになった。さらにこれら遺伝子のプロモータ解析を通して発現調節機構を明らかにするため心筋細胞への遺伝子導入の条件の検討を進めている。 ホスホランバンcDNAに部位特異的変異を導入し、カルシウムポンプcDNAと同時にCOS-1細胞に導入し発現させることにより、ホスホランバンのカルシウムポンプに対する作用部位を同定した。即ち細胞質ドメインのうちN末に存在するドメインIaのアミノ酸残基を変異したところカルシウムポンプ調節機能は消失した。またドメインIIbのアミノ酸を変異してもカルシウムポンプ調節機能に変化は認められなかった。従ってホスホランバンのドメインIaがカルシウムポンプと相互作用を営むことを明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Otsu,et al: "Sodium Dependence of the Na^+-H^+ Exchanger in the Pre-steady State" J.Biol.Chem. 268. 3184-3193 (1993)
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[Publications] Otsu,et al: "Chromosome Mapping of Five Human Cardiac and Skeletal Muscle Sarcoplasmic Reticulum Protein Genes" Genomics. 17. 507-509 (1993)
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[Publications] Toyofuku,et al: "Amino Acids Glu^2 to Ile^<18> in the Cytoplasmic Domain of Phospholamban Are Essential for Functional Association with the Ca^<2+>-ATPase of Sarcoplasmic Reticulum" J.Biol.Chem.269. 3088-3094 (1994)
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[Publications] Otsu,et al: "The Point Mutation,Arg^<615> to Cys,in the Ca^<2+> Release Channel of Skeletal Sarcoplasmic Reticulum Is Responsible for Hypersensitivity to Caffeine and Halothane in Malignant Hyperthermia" J.Biol.Chem.269(in press). (1994)