1993 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド型人工膵を用いた外科的糖尿病に対する治療法の確立
Project/Area Number |
04404049
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松野 正紀 東北大学, 医学部, 教授 (80004737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角川 陽一郎 東北大学, 医学部・付属病院, 助手 (60221173)
高橋 道長 東北大学, 医学部・付属病院, 助手 (60206852)
砂村 真琴 東北大学, 医学部・付属病院, 助手
武田 和憲 東北大学, 医学部, 講師 (20171639)
小針 雅男 東北大学, 医学部・付属病院, 講師 (30170369)
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Keywords | ハイブリッド型人工膵 / ラ島移植 / セルロース / costimulatory signal |
Research Abstract |
ハイブリッド型人工膵の半透膜としてはポリビニルアルコールを用いたチューブ型のタイプ、アガロースを使用したマイクロビーズ型のタイプなどが試作されている。しかしながら、1)ラ島が凝集して壊死に陥る、2)免疫隔離するためには膜を厚くする必要があり、体内に埋め込むには容量が大きくなりすぎる、などの問題点があり臨床的な使用には耐えられないのが実情である。我々は、このようなタイプに追随することを止め、微生物の生産するセルロースを免疫隔離膜およびラ島の支持組織として利用することが可能であるかを検討することにした。現在、この膜の免疫隔離能およびセルロース産生微生物とラ島との混合培養の可能性につき実験を開始した。 将来の移植の理想像は、ブタのラ島を移植するなどのxenograft transplantationである。xenograft transplantation時の拒絶反応には、allograft transplantationの際に見られる拒絶反応とは異なるメカニズムが介在している可能性が示唆されている。ハイブリッド型人工膵においてもxenograftでは拒絶反応が起きることが報告されており、我々はこのメカニズムに対応するために、ラットのラ島をマウスに移植する実験を行っている。この実験において、Th細胞のTh1またはTh2への分化の過程や傾向を解明し、移植直後の管理にfeed backする予定である。また、costimulatory signalなどに対する抗体を使用し、免疫寛容の導入についても検討している。 また、ラ島の生着過程や拒絶反応を直視下に観察し、そのメカニズムを明かにするために生体顕微鏡システムを導入しているが、すでにシステムの確立を終え、今後skinfold chamberを作成しラ島を観察する予定である。
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