1994 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド型人工膵を用いた外科的糖尿病に対する治療法の確立
Project/Area Number |
04404049
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松野 正紀 東北大学, 医学部, 教授 (80004737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 和彦 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70260429)
砂村 眞琴 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10201584)
武田 和憲 東北大学, 医学部, 講師 (20171639)
小針 雅男 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (30170369)
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Keywords | ハイブリッド型人工膵 / ラ島移植 / 膵移植 |
Research Abstract |
ハイブリッド型人工膵は、膵ラ氏島を栄養分やホルモンは自由に通過するが、抗原分子やリンパ球、免疫グロブリンなどは通過しない高分子半透膜によって隔離する人工臓器である。近年、1)異種の膵ラ氏島を使用できるためドナー不足を解消できる、2)免疫抑制剤から解放される、など臓器移植の問題点を解決できる可能性を秘めているため注目を浴びている。ハイブリッド型人工膵を長期にわたって使用するために、我々は、1)生体反応が少なく細胞との親和性の高い人工膜を開発する、2)異種の膵ラ氏島を使用するために同種と異種との拒絶反応の違いを明らかにする、研究を進めてきた。高分子半透膜は最も生体反応の少ない植物性の膜を開発し、マウスモデルに移植して炎症反応を検討するとともに、膵ラ氏島の機能維持を検討している。膜の隔離性や反応性の良好な結果を得ており、一部改良を加えればハイブリッド型人工膵の膜として使用可能になると考えている。また、移植の拒絶反応には接着分子やサイトカインが重要な役割を担うことが明らかにされてきたが、我々はICAM-1やLFA-1などの接着分子抗体を用いて拒絶反応をコントロールできることを確認した。さらにサイトカイン抗体などの使用により同様な生着延長効果が確認された。また、これらの抗体に対する反応は同種移植と異種移植では異なっており、双方には異なるメカニズムが存在することが示唆された。高分子半透膜にこれらの抗体を併用することにより、異種の膵ラ氏島を用いた人工膵臓応用の可能性が広がると考えている。
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