1992 Fiscal Year Annual Research Report
急性膵災発症機構の分子レベルでの解明とその臨床応用
Project/Area Number |
04404052
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
斎藤 洋一 神戸大学, 医学部, 教授 (90004803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹山 宜典 神戸大学, 医学部附属病院, 医員
山本 正博 神戸大学, 医学部, 助教授 (40166822)
大柳 治正 近畿大学, 医学部, 教授 (00030958)
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Keywords | 急性膵炎 / 膵外分泌機構 / 細胞骨格 / 低分子量GTP結合蛋白質 |
Research Abstract |
本研究では,膵炎の発症機構の本態を膵腺房細胞レベルでの分泌障害と考え、膵外分泌機構の構成因子である細胞骨格系と低分子量GTP結合蛋白質(G蛋白質)の動態を、種々の膵炎実験モデルや臨床材料を用いて解析することを目的としている。本年度は助成期間の初年度であり、当初の計画に基づいて研究を行い以下の成果を得た。 1.ラット・セルレイン誘起膵炎における微小管とミクロフィラメントの動態を抗体とファロイジンやローダミンを用いて形態学的に検討した。このモデルでは微小管の形成障害が存在することをが判明した。 2.ラット単離膵腺房からの酸素分泌反応において、rab11 p24がカルシウムの細胞質内動員を引き金として、細胞質から膜画分へ約1分以内に移動することを見いだした。さらに、この現象が単離膵腺房を用いて再構成したセルレイン膵炎ではどのようになるかを検討中である。 3.ラット膵管結紮モデルにおける微小管の形成障害を形態学的に検討したが、セルレイン膵炎で見られたような微小管の形成障害は存在しなかった。しかし、細胞内での分泌障害が単離膵腺房を用いた実験から確認できた。 以上、本研究の進行状況は概ね順調であり、平成5年度には本年度に当研究助成によって導入され現在調整中の蛍光ノマルスキー顕微鏡を用いて、細胞骨格構成蛋白やG蛋白質の細胞内での局在を形態学的に観察する予定である。
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Research Products
(1 results)