1993 Fiscal Year Annual Research Report
肝チトクロームP-450と薬物代謝に及ぼす吸入麻酔薬の影響
Project/Area Number |
04404061
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
平川 方久 岡山大学, 医学部, 教授 (70033058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 吉夫 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (30136006)
板野 義太郎 岡山大学, 医学部, 助手 (30127542)
山田 輝夫 岡山大学, 医学部, 助手 (00033225)
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Keywords | 筋弛緩薬 / 薬物代謝 / 液体クロマトグラフ / 質量分析計 / サーモスプレー / 四重極マスフィルター |
Research Abstract |
ステロイド核を有する筋弛緩薬ベクロニウム(VEC)、パンクロニウム、ピペクロニウム、ORG9426(ロクロニウム)とそれらの代謝物をGC/LC/MS装置にて測定するための条件を検討した。これらの化合物はandrostane骨格の3位および17位にacetyloxy基を持ち、ここが加水分解を受けることにより、3-OH、17-OHおよび3,17-OH体を生ずる。ORG9426は3位にacetyloxy基を持たないため17-OH体のみを生ずる。基本的な検討はすべてVECを用いて行った。LCのカラムはODSを、移動相はMSに導入するため揮発性である必要がありメタノール・酢酸アンモニウム緩衝液の混合液を用いた。保持容量は3-OH-VEC<3,17-OH-VEC<<VEC<17-OH-VECの順で、メタノール濃度増加により保持容量は全体的に減少した。pHを低下させるとVECおよび17-OH-VECの保持容量は著しく減少し、3位のacetyl基の有無が保持容量の変化に大きく関係していた。メタノール40%、0.1M酢酸アンモニウム緩衝液(pH=4.6)60%、流量1ml/分で4種類の化合物が10分以内に分離容出された。LCからMSへの導入はサーモスプレー方式(流量1ml/分、ステム温度106℃)で行った。MSのスペクトル分析ではすべての化合物で親イオンが観測されたが、主要な信号はVECと17-OH-VECではm/z値が416のものであり3-OHおよび3,17-OH-VECでは374であった。これらは16位のmethylpiperidinium基と17位のacetyl基が解離したものと考えられる。イオン化を増加させるためのfilamentあるいはdischarge電極の使用は、使用しない場合に比べて両者ともfragmentイオンを増加させたが、filamentでは50%程度の感度の向上がみられたのに対しdischarge電極ではほとんど感度の向上はみられなかった。Fragmenterの使用は多数のfragmentイオンを生じるのみでむしろ大幅な感度の低下が見られた。
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