1993 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔下での呼吸,循環,代謝管理のコンピュータ制御システム化の研究
Project/Area Number |
04404062
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
岡田 和夫 帝京大学, 医学部, 教授 (30082093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 桂 帝京大学, 医学部, 助手 (10246043)
大島 孝 帝京大学, 医学部, 助手 (40223804)
菊田 好則 帝京大学, 医学部, 助手 (30129994)
稲田 英一 帝京大学, 医学部, 助教授 (40193552)
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Keywords | 麻酔管理 / 室量分析計 / VO_2,VCO_2 / 麻酔薬の吸収 / MAC |
Research Abstract |
質量分析計により麻酔時の呼吸,循環動態の測定,分析を総合的に行い,麻酔時の患者管理をより精度の高いものにすることを目的とした。本年はVO_2,VCO_2とパラメータとの相関を中心に行った。心拍出量,血圧の増加相関したVO_2,VCO_2の変動をアドレナリン注で検討した。一定過換気条件下でASAClass1の患者で麻酔濃度が安定した時点でアドレナリン0.1mgを粘膜に投与した。この麻酔薬はセボフルレンとして,呼気終末CO-分圧,VO_2,VCO_2を連続測定した。血圧,脈拍数,心電図も連続記録した。一定換気条件下でアドレナリン注により心拍数増加,血圧上昇と殆ど同時に呼気終末CO_2分圧は上昇し,VCO_2の増加がみられた。しかもこの呼気終末CO_2分圧の上昇は血圧,脈拍数が平常に回復しても続いていた。次に過換気によるVO_2,VCO_2の変動を血行動態と対比して検討した。今回はCO_2分圧低下時のVO_2,VCO_2について連続的,動的な変動を測定し,血圧,脈拍数,呼気終末CO_2分圧の変動と対比して検討した。生体がCO_2低下によるアルカローシスによりVO_2,VCO_2の低下がくるが,呼気終末CO_2分圧の低下に比べてやや時間遅れがみられた。血圧,心拍数の変動は軽度であり,生体の代謝レベルがCO_2低下により変動したことが示唆された。吸入麻酔薬についてはイソフルレンとセボフルレンの血液ガス分配係数の異なった薬剤での導入時の肺胞ガス濃度の平衡到達時間を検討した。ここで、IMAC及び2MACを到達点とした。麻酔薬の量と換気量,及び血行動態との関係を対比して検討した。麻酔導入が迅速な場合と緩徐な場合とに分けて吸入麻酔濃度の大小,換気量の大小と血行動態の変動を相関させて検討した。上述の諸パラメータを定量的に分析して麻酔時の患者管理の向上をはかった。
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