1993 Fiscal Year Annual Research Report
閉塞性睡眠時無呼吸症候群の病態解析,診断とその治療
Project/Area Number |
04404066
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
戸川 清 秋田大学, 医学部, 教授 (40009444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板坂 芳明 秋田大学, 医学部, 教務職員 (80223072)
山川 浩治 秋田大学, 医学部, 助手 (40191209)
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Keywords | 睡眠時無呼吸症候群 / いびき / 食道内圧 / 上気道圧 / 軟口蓋咽頭形成術 / 舌根正中切除術 / 肥満 / 呼吸生理 |
Research Abstract |
睡眠時無呼吸症の患者数は、睡眠時呼吸障害のもたらす障害に対する一般の認識が深まるとともに増加してきた。平成5年1月から12月まで睡眠時呼吸障害のスクリーニング、精査を実施した症例数はのべ197名(成人183、小児24)であった。昨年度導入した睡眠脳波自動解析装置DEE-1100および上咽頭、中咽頭、下咽頭、食道で同時に気道内圧を測定できる多点圧センサーを使用して呼吸障害の程度、閉塞部位診断を定量的に実施したのは153例であった。この検査に当たっては、仰臥位、側臥位での呼吸動態変化観察に加えて、持続陽圧呼吸(CPAP)の適正値診断も同時に行ってきた。 平成5年5月から10月までに精査した54例で体位変換の有効性について検討したところ単位時間あたりの無呼吸数は側臥位では(仰臥位と比較して)80%以上減少していた。しかし呼吸努力の指標である食道内圧変動値でみると30%強の減少率に過ぎなかった。つまり無呼吸は著しく減少しても気道狭窄の残存している例の多いことが明らかとなった。側臥位で呼吸障害が改善することに関与する要因を検討したところ、無呼吸数の重症度は無関係であるが、肥満度は有意に逆相関していることがわかった。 睡眠時呼吸障害例の治療に対して本年度は軟口蓋形成術、舌正中切除術、CPAP療法に加えて、睡眠時体位指導、減量療法、下顎プロテーゼを単独または複合して適用してきた。減量療法は、入院のうえ1000kcalの食事制限で、4-6週の期間に6-10kgの減量が達成できていた。また軟口蓋形成術失敗例に対して下顎プロテーゼを適用してその有効性を検討してきた。
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[Publications] Togawa K,Yamakawa K et al: "Snoring and sleep apnea" Asian Medical Journal. 36. 193-205 (1993)
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[Publications] 戸川清: "小児睡眠時呼吸障害の特色" 小児耳鼻咽喉科. 14. 23-28 (1993)
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[Publications] 戸川清,宮崎総一郎 他: "睡眠時呼吸障害の臨床と耳鼻咽喉科医の役割" 耳鼻咽喉科臨床. 86. 929-939 (1993)
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[Publications] 山川浩治,戸川清,他: "閉塞性睡眠時呼吸障害の閉塞部位診断と手術療法" 口腔咽頭科. 5. 233-242 (1993)
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[Publications] 板坂芳明,山川浩治,他: "閉塞性睡眠時呼吸症候群における呼吸動態" 耳鼻咽喉科臨床. 86. 1467-1474 (1993)
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[Publications] Togawa K,Yamakawa,K et al: "Importance of topo-diagnosis in the treatment of obstructive sleep apnea" Sleep. 16suppl. 130-131 (1993)