1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04404066
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Research Institution | AKITA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
戸川 清 秋田大学, 医学部, 教授 (40009444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板坂 芳明 秋田大学, 医学部, 教務職員 (80223072)
横溝 道範 秋田大学, 医学部, 助手 (70260453)
宮崎 総一郎 秋田大学, 医学部, 助手 (20200157)
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Keywords | 睡眠時無呼吸症候群 / いびき / 食道内圧 / 上気道圧 / 軟口蓋咽頭形成術 / 舌根正中切除術 / 肥満 / 呼吸生理 |
Research Abstract |
睡眠時呼吸障害に対する臨床医の認識が深まると共に睡眠時無呼吸を疑われて紹介されてくる患者数がとみに増加してきた。現在までに睡眠脳波解析装置DEE-1100および上咽頭、中咽頭、下咽頭、食道で同時に気道内圧を測定できる多点圧センサーを使用して呼吸障害の重症度、閉塞部位診断をのべ200例以上に実施した。このうち平成5年から6年にかけてCPAPを利用した精密な閉塞部位診断が可能であった76例についてみると、軟口蓋部での閉塞が18例(CPAP条件下、37例)、舌根部での閉塞が21例(30例)、複合型が37例(9例)であった。CPAPを利用することにより複合型症例をさらに精密に分別することができ、手術適応を決める際に有用であった。また過去3年にわたり睡眠時呼吸障害症例の治療法別有効率について検討した。無呼吸数の観点から改善率を見ると、軟口蓋咽頭形成術(UPPP)は60.7%、UPPP+舌根部切除術は41.2%、下顎補装具は55.2%、体位変換は76.1%であった。このように単独の治療法のみでは十分な効果は得られないため、UPPP+下顎補装具、UPPP+体位指導、UPPP+減量等の複合療法を考案した。さらにいびき音の周波数分析結果と閉塞部位の関連について検討した。その結果舌根型のいびきの基本周波数は、軟口蓋型の場合に比較して高い傾向が認められた。UPPP後に残ったいびきの基本周波数は術前に比較して有為に高かった。UPPP前のいびきの基本周波数が150Hz以下の場合、UPPPの効果が良好であった。最後に過去3年間にわたる研究を総括し報告書を作製した。
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[Publications] 戸川清: "いびきを見直す" 日本医師会雑誌. 111. 898-905 (1994)
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[Publications] 宮崎総一郎: "小児のいびきと睡眠時無呼吸症候群" 耳鼻と臨床. 41. 123-128 (1995)
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[Publications] 板坂芳明: "閉塞性睡眠時呼吸障害といびきの音響分析" 口咽科. 6. 137-143 (1994)
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[Publications] 山川治治: "成人の閉塞性睡眠時呼吸障害の閉塞部位診断と手術療法" 日気食会報. 45. 211-218 (1994)
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[Publications] 戸川清: "いびきと病態発生,太田保世偏" 東海大学出版会, 41-47 (1994)
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[Publications] 戸川清: "外科的治療とその適応,太田保世偏" 東海大学出版会, 193-204 (1994)