1992 Fiscal Year Annual Research Report
振動応答解析による歯周組織病変の診断情報の分析研究
Project/Area Number |
04404074
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
斎藤 毅 日本大学, 歯学部, 教授 (60059235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 正一 (70058600)
森川 良則 日本大学, 理工学部, 助手 (60239639)
山岡 大 日本大学, 歯学部, 助手 (60182408)
小森 規雄 日本大学, 歯学部, 助手 (60153681)
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Keywords | 動揺 / 減衰固有振動数 / 数量化 / 歯周組織疾患 |
Research Abstract |
歯周組織に在存する疾患の程度あるいは治療効果の判定を歯の動揺の程度で評価することは極めて重要なことである。近年、歯科治療の高度化に伴い治療方針の立案や治療効果の判定にあたって、複雑な歯周組織の状況を数量化で計り、正確に描記することが要求されている。 本研究は、自動衝撃加振器を試作し、数段階の動揺を想定した歯の植立模型によって、繰り返し衝撃荷重に対する振動応答解析を行い、歯周組織の力学的性状を評価する基礎的検討を行った。 測定システムは、パルス衝撃荷重を印加する試作加振器、振動を検出する加速度計とアンプ、応答信号解析のFFTアナライザおよび記録用パソコンで構成した。歯周組織の力学的性状を評価する上で重要なことは、植立人工歯に繰り返しパルス荷重を印加することにある。そのため試作加振器は、電磁力を応用した装置で、分離した両端の円筒形コイルに6Hzの方形波電流を交互に通電し、鉄心を双方向に駆動させた。 供試模型は、ベーク材に歯槽窩の状況を模した穴径を6.5mm、7.0mm、7.5mm、8.0mmとし、その各々の深さを5mm、10mm、15mmとして、歯を想定したアクリル製円柱棒を(φ6mm、ι25mm)を差し込み、隙間を歯根膜を想定したゴム系接着剤で埋めて構成し、実験をおこなった。 その結果、パルス荷重を印加されたモデルは減衰振動し、植立模型の動揺に応じて減衰固有周期が異なった。また、周波数領域において、振動応答スペクトルには特異的なピークがあり、このピークに対する周波数は時間領域での振動波形から求められる減衰固有振動数とほぼ一致した。供試模型の植立条件に対する減衰固有振動数は、埋入深さおよび穴径の増加にしたがい減少した。したがって、本研究の結果、植立状態の異なる人工歯の減衰固有振動数を検出することが可能であり、植立状態を数量化して評価する初期の目的が実現できることが判明した。
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