1992 Fiscal Year Annual Research Report
新しいホルモン、神経ペプチドの分離とその生化学的、生理学的特性に関する研究
Project/Area Number |
04404084
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
立元 一彦 群馬大学, 内分泌研究所, 教授 (60240694)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 利行 群馬大学, 内分泌研究所, 教授 (00109977)
小島 至 群馬大学, 内分泌研究所, 教授 (60143492)
伊藤 漸 群馬大学, 内分泌研究所, 教授 (00008294)
|
Keywords | 生理活性 / ペプチド / ホルモン / 神経ペプチド / 成長因子 / 抽出精製 / 構造決定 |
Research Abstract |
平成4年度は生理活性ペプチドの抽出精製施設を創設するために、当初計画された大容量冷却遠心機、遠心式濃縮器、凍結乾燥機、大型クロマトグラフカラム、保冷庫、ディープフリーザー、電子天秤などを購入し、セットアップを完了した。これで中規模のペプチド抽出精製が可能となった。一方、分光蛍光光度計の購入で細胞内カルシウムの濃度変化を測定することが可能となったので、種々の細胞モデルを用いて広範囲な生理活性ペプチドのバイオアッセイ法を確立した。現在、このバイオアッセイ法を用いて新しい生理活性ペプチドの分離精製の研究を進めている。また、新生ラット神経細胞の培養法を確立して神経細胞の生存、分化に関する研究を行い、脳軟膜細胞から分泌される因子が神経細胞の生存率を高めること、この因子がIGF-2とその関連物質であることなどを見いだした。さらに、ラット神経細胞を用いたバイオアッセイ法により組織抽出液中に神経細胞の生存率を低下する多数の因子が存在することを見いだし、これらの因子の分離精製の研究も進めた。その結果、これらが分子量5、000から10、000ダルトンのペプチドであること、IGF-1の作用を強く抑制することなどを明らかにした。最近、そのうちの幾つかのペプチドの単離に成功し、化学構造を測定中である。また、分担研究者、伊藤教授との共同研究でブタの腸抽出液中に未知の消化管動促進ペプチドが存在することが判明し、これらのペチプドの分離精製の研究も進めている。また、生体内において食欲を抑制する因子の研究を行い、腸抽出液中にこれまで知られていないペプチドで強力な食欲抑制作用をもつ物質を発見し、その化学構造を決定した。
|