1994 Fiscal Year Annual Research Report
「いのち」観念にあらわれた日本人の宗教性の実証的研究
Project/Area Number |
04451007
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
山折 哲雄 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (40102686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森岡 正博 国際日本文化研究センター, 研究部, 助手 (80192780)
鈴木 貞美 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (60179207)
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Keywords | 日本文化 / 生命観 / 日本思想 / 生命倫理 |
Research Abstract |
本年度は、研究代表者、分担者が、それぞれのスタンスから「いのち」観念にあらわれた日本人の宗教性についての総括的研究を行ない、著書・論文として発表した。山折哲雄は、著書『お迎えのとき-日本人の死生観』の中で、日本人の死生観にあらわれた宗教性について、「断食死」と「安楽死」、日本仏教と「病気」などを素材にしながら、包括的に議論した。鈴木貞美は、著書『日本の「文学」を考える』の中で、「純文学」「大衆文学」「私小説」などの既成概念を再検討するなかで、それらを横断してあらわれてくる日本文学の生命観を、文字史の位相から解明した。森岡正博は、著書『生命観を問いなおす』の中で、1980年代の日本を席巻した「80年代生命主義」の思想史的位置付けを行ない、そこに内在するロマン主義の姿を析出した。また、生命観についてのアンケート調査の整理を行ない、日本人の生命観に秘められた「いのちの弁証法」についての仮説を提示した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 山折哲雄: "Tennokult-Quellen der Autoritatund ihye Mechenisnen" Geschichte und Identitat. III. 16-31 (1994)
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[Publications] 鈴木貞美: "都市大衆社会と「私」" 中西進編『日本文学における「私」』. 263-284 (1994)
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[Publications] 鈴木貞美: "Three Themes and a few Points of View" Japan Review. 5. 125-144 (1994)
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[Publications] 森岡正博: "人間の生命の始まりと生命倫理学" 法哲学年報. 19-24 (1994)
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[Publications] 森岡正博: "人間の誕生と廃棄" 多田富雄ほか編集『生命-その始まりの様式』. 169-195 (1994)
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[Publications] 鈴木貞美: "日本の「文学」を考える" 角川書店, 290 (1994)
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[Publications] 森岡正博: "生命観を問いなおす" 筑摩書房, 205 (1994)