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1993 Fiscal Year Annual Research Report

パルテノン神殿の造営目的に関する美術史的研究

Research Project

Project/Area Number 04451012
Research InstitutionTokyo Gakugei University

Principal Investigator

水田 徹  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30055917)

Keywordsパルテノン / メトープ / フリーズ / ペイディアス / アテナ・パルテノス / パン・アテナイア / ギリシア / 彫刻
Research Abstract

本年度の研究実施計画a、b、につき、以下のような知見が得られた。
a)パルテノン・フリーズ上の騎馬隊、馬車隊、男性徒歩隊、女性徒歩隊、そして犠牲動物行列のそれぞれにつき図像および様式分析を行なった結果、南西の角を出発点としたいわゆる北回りの行列(西面を経て北面全体と東面の北半分)では4という基数が用いられていることが明かとなった。すなわち騎馬隊は騎馬者の衣装ないし装身具によって4グループに分れ、馬車隊は馬車の数が4の倍数の8台であり、さらに男性徒歩隊では、例えば水瓶を担ぐ青年の数、そして犠牲動物行列では牛と羊が四頭づつとなっており、東面に回って徒歩の女性群は、オイノコエを持つものが4人、(ただしフィアーレを持つのは別の理由から例外的に3人)、そして最後にいわゆる名祖の英雄が4人登場する。全く同じことが南回りの行列についても観察され、ここでは明らかに10が基数になっている。この結果、パルテノン・フリーズは決してパン・アテナイアの祝祭行列を単に実景描写したのではなく、北回りの行列は4フラトリア制度下のアテナイを、南回りの行列はクレイステネスの政治改革後の10フュレ制を示したものであり、従ってアテナイの新旧の政治体制の統合の理念の提示が、パルテノン造営の目的の一つであったと考えられる。
b)ニケ像のタイポロジーとして、酒瓶を手に人間とともに祭犠に参加する姿が前5世紀後半に瀕出することが確認された。但し葉冠を手に祝福するタイプも頻度高く並存すること等、なお詳しい分析が必要である。なおパルテノン東破風の彫刻を手本とした可能性の極めて高いバクシ出土の陶器画には前者の図像が、パルテノンの総監督を勤めたペイディアスのオリンピアの工房跡から出土した陶器断片には後者のそれが適用されている。両タイプが極めて早い時期に互換された可能性も今後検討する必要がある。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] 水田 徹: "前5世紀後半における二ケ像のタイポロジー" 造形芸術学・演劇学. 1. (1994)

  • [Publications] 水田 徹: "ギリシア・クラシックとヘレニズム(世界美術大全集第4巻)" 小学館, 400 (1995)

URL: 

Published: 1995-02-08   Modified: 2016-04-21  

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