1993 Fiscal Year Annual Research Report
新しい視点からの親のしつけと子どもの社会行動に関する研究-アジア地域における比較文化的検討-
Project/Area Number |
04451018
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
新井 邦二郎 筑波大学, 心理学系, 助教授 (60015914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤生 英行 筑波大学, 心理学系, 助手 (40251003)
斉藤 洋子 (丹羽 洋子) 筑波大学, 心理学系, 助手 (60235083)
庄司 一子 筑波大学, 心理学系, 講師 (40206264)
川島 一夫 信州大学, 教育学部, 助教授 (40135116)
高野 清純 筑波大学, 心理学系, 教授 (70015428)
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Keywords | 親子関係 / 母子関係 / 父子関係 / しつけ / 社会行動 / 子ども / 日本 / 韓国 |
Research Abstract |
平成4年度に作成した尺度に加えて、いくつか改善を施した「新しい視点からの親子関係尺度」と、子どもの社会性の調査を、日本および韓国の小学5年生、6年生に実施した。その結果、主に次のようなことが見い出された。(1)「新しい視点からの親子関係尺度」の妥当性と信頼性が日本および韓国においてほぼ確認できた。(2)父親・母親の養育特徴と子どもの全般的行動(受容感、効力感、セルフ・コントロール、不安傾向、対人積極性、向社会性、攻撃性、内的帰属と外的帰属)との関係は、日本では殆ど直接的なものはなかったが、韓国においては多くの行動で強い関係がみられた。同様に(3)父親・母親の養育特徴についての子どもの認知の仕方と子どもの全般的行動(受容感、効力感、セルフ・コントロール、不安傾向、対人積極性、向社会性、攻撃性、内的帰属と外的帰属)との関係は、日本では幾つかの行動で有意な相関が見られたが、韓国においては殆どの行動で強い相関がみられた。(4)父親・母親の養育特徴と子どもの社会性との関係については、日本と韓国のいずれにおいても子どもの社会性は父親よりも母親の養育特徴との関係が強いことが示された。(5)父親・母親の養育特徴についての子どもの認知の仕方と子どもの社会性との関係については、日本では父親・母親の養育特徴について子どもが認知することが子どもの社会性とあまり関係を持たなかったが、韓国においては父親・母親の養育特徴についての子どもの認知の仕方と子どもの社会性との関係に強い相関が示された。以上のように、親子関係と子どもの社会性とには、韓国では日本よりも直接的な関係がみられたと言えよう。
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Research Products
(1 results)