1993 Fiscal Year Annual Research Report
脳死のパブリック・アクセプタンス構造とその受容過程:longituclinal研究
Project/Area Number |
04451023
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
木下 冨雄 摂南大学, :経営情報学部, 教授 (10026742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉万 俊夫 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (10135642)
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Keywords | 脳死 / パブリック・アクセプタンス / 現象の不透明性 / 認知と感情 / 態度構成要素の非整合性 / 生体移植 |
Research Abstract |
現在,わが国でもっとも国民世論の分裂している社会的問題(ことばをかえるとパブリック・アクセプタンスが成立していない社会的問題)の一つが脳死と生体移植である。この問題に対して世論をリードすべき立場にある医学者,法曹家,宗教家の間でさえ合意がまだ成立していない。 脳死に対して国民一般がどのような態度をもっているか、その内部はどのような構造をもっているかを調べるために、大阪府民を対象とする世論調査を行った。 その結果,自分の場合は脳死を認めてもよいとする者が65%に及ぶのに愛する人の場合は41%に減じることがわかった。つまり対象が自分か愛する人かという状況によって、同じ人でも考え方が変化するのである。また脳死という「目に見えない」死に対して戸惑いの気持が強く,医師への不信感も強いことがわかった。その意味で脳死のPAには現時点では大きなネックがある。
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Research Products
(1 results)