1994 Fiscal Year Annual Research Report
脳死のパブリック・アクセプタンスの構造とその受容過程:lougituainol研
Project/Area Number |
04451023
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
木下 冨雄 摂南大学, 経営情報学部, 教授 (10026742)
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Keywords | 脳死 / 生体移植 / 社会的合意 / 認知と感情 / 世論形成 / 態度の不確定性 |
Research Abstract |
現在,わが国でもっとも国民世論の分裂している社会問題は,脳死と生体移植に対する態度である。これまでこの問題について膨大な書物が刊行されているがその中に統一的な方向は全く見当らないし,またこの問題に対して世論をリードすべき立場にある医学者,法曹家,宗教家の間にさえ合意形成はなされていない。脳死問題は単なる医学論争ではなく,法律論争,宗教論争,倫理論争,哲学論争,価値論争でもあるのである。 本研究の目的は,まず第1に,このように分裂した世論の背後にどのような心理的,社会的要因があるのか,その要因構造を明らかにすることである。 第2の目的は,分裂した世論が,時間の経過とともにどのように収斂していくのかを明らかにすることである。第1の目的である脳死に対する態度の要因構造も,このような時間軸を考慮に入れた変化の中で,より明らかにされることが期待されよう。 本年度は,3ケ年にわたる研究の最終年として,第2回の調査を行った。対象は第1回に使用したサンプル,すなわち,大阪府民から層化二投抽出により選ばれたサンプルである。同一個人に対して2回の調査を実施することにより(パネル調査),要因構造の変化がより明確になることが期待される。なおデータは目下集計中である。
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Research Products
(1 results)