1992 Fiscal Year Annual Research Report
認知的理解学習モデルの構築とCAIシステムへの應用
Project/Area Number |
04451028
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小谷津 孝明 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (20051401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 正弘 岡崎女子短期大学, 初等教育学科, 助教授 (50214127)
湯本 典子 慶應義塾大学, 文学部, 助手 (40051916)
鈴木 恒男 慶應義塾大学, 法学部, 助教授 (60226529)
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Keywords | 認知的理解学習 / CAIシステム / 理解スキーマ |
Research Abstract |
まず、認知的理解学習モデルの構築とCAIシステム作成のための作業として、小学校4年理科教材「ぼうのつり合い」と同小学4年国語「ごんぎつね」のテキストについて、前者ではステップ式、後者では情報単位(文字・語句・文節等ごとの)分割式の学習問題を作成し、小学4年生を被験者対象として逐次解決型学習実験を行なった。そして得られたデータにもとづき、「学習者が理解できない、ないしは困難を感じる部分はどういう点で、どのような内容のものか」、そして「そのとき学習者は解決に向けてどのような思考図式をもっているか」などについて情報を集め、これを分析整理して各理解レベルに応じて起こりうる〈標準的な理解スキーマ〉をリスト形式で設定した。次に、そのそれぞれの場合に有効な〈対処の仕方〉を定め、これとリンクさせておく。これを学習者に対する“computer aided instruction"として利用することにして、その媒体を作成した。すなわち、computerは、学習者がある水準で誤答したり、あるいは解答をだせず立往生したとき、現段階で彼がどのようなスキーマ(〈自己スキーマ〉と呼ぶ)のなかにあるかを推定し、これともっともよく対応する〈標準的理解スキーマ〉を選択的に抽出し、代替させ、これとリンクされている“対処の仕方"を教示するわけである。学習者が誤答や立往生するレベルや質の違いは個人差が大きく、またそこには計量化できない“あいまいさ"の要因がある。そこでファジィ理論のメンバーーシップ関数を利用を試み、〈標準的理解スキーマ〉や〈対処の仕方〉の、適切で円滑な選択が行なわれるようにした。とくに国語の理解学習では、各学習者の“漢字の理解度"や“文字の上手さ"・“書きぐせ"などを評価するシステムまでファジィ理論に準拠して作成した。その成果は(裏面にあるように)すでに発表してある。
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Research Products
(1 results)