1994 Fiscal Year Annual Research Report
弱視児に見やすいコンピュータ・フォントの分析と試作
Project/Area Number |
04451063
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Research Institution | The National Institute of Special Education (NISE) |
Principal Investigator |
木塚 泰弘 国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部, 研究部長 (90000265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 浩一 東京女子大学, 現代文化学部, 助教授 (60169307)
金子 健 国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部, 研究員 (40260020)
中野 泰志 国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部, 研究員 (60207850)
千田 耕基 国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部, 研究室長 (40099940)
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Keywords | 弱視 / フォント / 読書 / 視認性 / 視機能 / コンピュータ / ロ-ビジョン / 視覚障害 |
Research Abstract |
弱視児は、通常の教科書等の文字をよく見ることができないため、読み書きの学習が不得意な場合が多い。この課題に対して、本研究では、平成4年度より、補助具を用いないで弱視児の読み書きの学習を効果的にするための手段として、弱視児に見やすいフォント(書体)について検討してきた。先行研究が、既存のフォントの中でどれが読みやすいかという相対比較を行うアプローチであるのに対し、本研究はフォントの特徴を操作して、見やすさを決定している要因を分析するという理論的観点からアプローチした。また、要因分析の結果を応用し、弱視者に見やすい新たなフォントを試作した。 (1)フォントの試作方法に関する検討:前年度まではポストスクリプト形式のフォントの作成を実施してきた。しかし、近年のウインドウズOSの普及に伴いトゥル-タイプ形式のフォントが多く活用されるようになってきた。そこで、本年度は、トゥル-タイプ形式のフォントを加工する方法について検討した。その結果、トゥル-タイプ形式のフォント形成ツールにより、フォントの太さ等を簡便に操作できるようになった。 (2)試作フォントの評価方法に関する検討:文字は単独で提示されるわけではなく、文章を構成する要素として位置づけられる。そこで、フォントが文章を読むときの読書効率に及ぼす影響を評価するための評価システムを構築した。 (3)報告書の作成:平成4年度からの研究成果を報告書にまとめた。報告書には本研究で作成したフォントのサンプルも掲載した。
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Research Products
(21 results)
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[Publications] 木塚泰弘: "盲学校におけるコンピュータ活用と教育実践-教育活用の歴史と点字情報ネットワーク" 教育過程新聞. 1397. 3-3 (1994)
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[Publications] 木塚泰弘: "視覚障害児の自立と社会参加を目指す活動" IRIS連絡協議会情報. 2(4). 20-23 (1994)
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[Publications] 木塚泰弘: "視覚障害情報処理技術(1994年)-1994の特徴と1995年の課題" 視覚障害. 136. 34-38 (1994)
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[Publications] 木塚泰弘: "視覚障害児の指導について、久我山の教育" 東京都久我山盲学校. 18. 1-5 (1994)
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[Publications] 千田耕基 中野泰志: "弱視児の学習効率性に関する研究(VI)-指導の場に応じた学習支援の方略と指導方法について-" 国立特殊教育総合研究所研究紀要. 22. 109-117 (1995)
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[Publications] 千田耕基: "視覚障害情に起因する行動の制限とその対応について-重度弱視児の視覚-運動機能からみた視知覚と行動の関連性" 国立特殊教育合研究所特別研究「心身障害児の運動障害にみられる課題とその指導に関する研究」報. 118-125 (1995)
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[Publications] 中野喜美子 中野泰志: "読書効率を指標にした弱視の読書環境の整備に関する事例報告." 日本特殊教育学会第32回大会発表論文集. 14-15 (1994)
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[Publications] 関みどり 宮下幸江 水谷厚彦 中野泰志: "アッシャー症候群による弱視難聴の児童を取り巻く環境の整備に関する事例報告(1)" 日本特殊教育学会第32回大会発表論文集. 694-695 (1994)
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[Publications] 中野泰志: "弱視疑似体験による屋内での学習環境の整備-近見視・中間視の課題と支援 平成6年度第1回「障害を理解し、共に学ぶための疑似体験セミナー」テキスト" (財)心身障害児教育財団. 1-20 (1994)
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[Publications] 中野泰志: "共同研究の活性化と研究機関のヒューマンネットワークの推進" 職リハネットワーク. 25. 24-25 (1994)
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[Publications] 関みどり 宮下幸江 水谷厚彦 中野泰志: "視覚と聴覚に障害を併せもつ弱視難聴の児童の環境整備に関する事例報告(1)" 弱視教育 VOI. 32(1). 7-15 (1994)
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[Publications] 伊藤友治 香川邦彦 中野泰志: "我が国における弱視教育研究の歴史的変遷-「弱視教育」誌全30巻の分類を通して-" 弱視教育 VOI. 32(1). 23-29 (1994)
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[Publications] 水谷みどり, 宮下幸江,水谷厚彦,中野泰志: "視覚と聴覚に障害を併せもつ弱視難聴の児童の環境整備に関する事例報告(2)" 弱視教育. 32(3). 8-15 (1994)
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[Publications] 中野泰志 中野喜美子: "読書場面におけるまぶしさの評価方法試案" 第36回 弱視教育研究全国大会抄録. 34-35 (1995)
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[Publications] 石井裕子 中野泰志: "弱視学級の新設に向けて-弱視児の視覚特性を考慮した弱視学級の設備、備品を中心に-" 弱視教育. 32(4). 1-9 (1995)
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[Publications] 中野喜美子 中野泰志: "弱視児の読書環境の整備に関する事例報告-読書効率の評価結果を通しての弱視児とのかかわり-" 弱視教育. 32(4). 10-16 (1995)
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[Publications] 中野泰志 中野喜美子: "弱視(ロ-ビジョン)用読書効率測定システムの試作(3)-冊子版文字サイズ評価票とまぶしさの評価方法の試案-" 第4回視覚障害リハビリテーション研究発表大会論文集. (印刷中). (1995)
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[Publications] 小田 浩一: "ロ-ビジョンにおける読みの国際比較" 教育心理学会 第36回総会論文集. 21-21 (1994)
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[Publications] 川嶋英嗣 小田浩一 高橋尚子 谷村 裕: "Gabor-PatchによるCSFお測定-視覚正常者と低視力者の感度特性-" VISION. 6. 169-172 (1994)
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[Publications] Osaka. N Oda.K: "Moving window generator for reading experiments, Behavior Research Methods." Instraments, & Computers. 26(1). 49-53 (1994)
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[Publications] E & C プロジェクト編: "「バクアフリー」の商品開発 ヒトに優しいモノ作り" 日本経済新聞社, 15 (1994)