1992 Fiscal Year Annual Research Report
中国明清期文人の文集出版とその和刻本に関する基礎的研究
Project/Area Number |
04451085
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Research Field |
中国語・中国文学
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹村 則行 九州大学, 文学部, 助教授 (60117158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
連 清吉 九州大学, 文学部, 助手 (60243862)
柴田 篤 九州大学, 文学部, 助教授 (00117128)
合山 究 九州大学, 教養部, 教授 (50036977)
福田 殖 九州大学, 教養部, 教授 (80036970)
町田 三郎 九州大学, 文学部, 教授 (20005747)
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Keywords | 袁枚 / 袁枚集人名索引 / 市河寛斎 / 随園詩鈔 / 長沢規矩也 / 和刻本漢籍目録 / 汲古書院 / 小倉山房詩文集 |
Research Abstract |
(1)中国明清期文人の文集出版とその和刻本に関する基礎的研究を行なうために、当初は全般的な関連書目の作成を構想したが、長沢規矩也氏に既に労作『和刻本漢藉目録』があり、また230万円という限られた予算の中では、必ずしも予期した成果が上げられない事が分った。この方面では汲古書院が精力的に和刻本の影印出版を行なっている。(2)そこで、上記の研究課題にふさわしい基礎研究の一環として、袁枚に関する文集出版と和刻本について研究をすすめることにした。袁枚は、清朝乾隆期に一世を風靡した詩人であり、多くの文人と交游した。その著『小倉山房詩文集』は、当時の日本江戸期の代表的文人市河寛斎『随園詩鈔』によって我が国にも紹介され、一大センセーションを巻き起こした。本研究の主眼は、こうした事実にかんがみ、特に袁枚の詩文集の日本文壇への紹介のあり方に注目し、市河『随園詩鈔』における表枚詩のダイジェストの仕方について詳しく考察することによって、以て広く中国文学の日本文学への影響の仕方を探ろうとするものである。 (3)さらに、この研究に関連するものとして、袁枚のサロンに出入していた文人の動態について、詳しいデータを得るために、『袁枚集』に見える人名索引の構想を立てた。これは既存のパソコンを使い、作業を分担して行なうものである。このことによって、袁枚の交遊関係がデータ的に明らかになり、清朝文人袁枚の詩文研究に資するだけでなく、そのサロンのあり方と、日本江戸期の代表的文人市河寛斎を中心とする江湖派文人との比較研究にも大いに寄与することとなろう。 (4)なお、研究分担者の個別研究はそれぞれ従来通りに進めることとし、一年後にはその研究成果を刊行できることを目標にしている。
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[Publications] 竹村 則行: "校注驚鴻記(1)" 文学研究. 90. 1-17 (1993)
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[Publications] 町田 三郎: "『棧雲峽雨日記』与『観光紀雨』" 陳奇祿七秩栄慶論文集. (1992)
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[Publications] 町田 三郎: "漢籍国字解について" (早稲田大学)東洋の思想と宗教. 9. (1992)
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[Publications] 町田 三郎: "『温知堂蔵書』目録のこと" 中国哲学論集. 18. 71-80 (1992)
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[Publications] 連 清吉: "文献からみる江戸時代における荘子研究" 哲学年報. 52. (1993)
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[Publications] 連 清吉: "帆足万里の『荘子解』について" 中国哲学論集. 18. 55-70 (1992)
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[Publications] 福田 殖・柴田 篤訳注: "佐藤一斎全集 第十二巻" 明徳出版社, (1993)